2020年度から小学校で必修化 「プログラミング」で阪神も強くなる?

 2020年度から小学校で「プログラミング教育」が必修化される。ここに来て関西でも注目度が高まっており「能開センター」や「個別指導アクシス」などで知られる大手学習塾「ワオ・コーポレーション」も基礎から応用まで幅広く学べる「WAO!LAB」を展開。そもそもプログラミングとは何なのか?大阪・上本町校をのぞいてみた。

 教室に入ると、受講生はそれぞれの課題に取り組んでいた。ネットで調べたり、友だち同士で助け合ったり、学習塾より和気あいあいとして自由な空気。ハンダを使って配線を接続する小学生がいれば、パソコンをにらみ、データを打ち込む高校生もいる。

 プログラミング講座をスタートさせたのは15年7月。同社の野々宮英二さん(56)によると、初級者向けとして力を入れているのがソニー・グローバルエデュケーションが開発した最新の学習キット「KOOV」を使ったデジタル工作。講座のカリキュラムとテキストを共同開発したといい、色鮮やかなブロックと電子部品を使ってロボットを組み立てることで自然とプログラミングになじむことができるとのことだ。

 「男女年齢を問わず、レベルに合わせて4コースを設けています。小3の女の子と高1の男子が同じ教室にいるのも多様性があって良いのでは。テクノロジーの進化によって、子どもたちがつくれるものが広がっている昨今、楽しみながら取り組むことで自然と論理的な思考を身につけてもらえれば」

 プログラミング教育は20年度から小学校の新学習指導要領で必修化され、中学校では21年度、高校では22年度からと順次広がっていく。さらに24年度には大学入試センター試験に替わる「大学入学共通テスト」にも国語や数学と同じ基礎的科目として導入される見通しだ。もっとも、日本がこの分野で後れをとっているのも事実。経産省を中心にIT関連の人材強化に取り組んでいるが、まだまだ周知徹底されておらず、プログラミング教育に対する認知度も意外に低いという。

 そもそもコンピューターは、プログラミング言語と呼ばれる特殊な英単語や記号を代数に置き換え、その指示によって動く。プログラミングを学ぶことで、同時に論理的思考力や創造力、生きる上でも必要な問題解決能力を自然と身につけることができる。ワオラボではプログラミングの習得だけではなく、自ら学んでいける人材の育成を目指している。

 教室内には3Dプリンターもあり、これらを使って自分が思い描いたロボットをつくることもできる。プログラミングすることでモーターを動かしたり、LEDを光らせたり、音を出したり…また自立型サッカーロボットをつくって、仲間と競い合ったり、大会に出場して腕を試すこともできる。

 「プログラミングは自分が“こうしよう”と思ったことを形にできるので楽しい」と声を合わせたのは、ドクターコースに所属する高1の名コンビ。神戸、和歌山と別々の高校に通う2人はサッカーロボット全国大会出場経験があり、11月の地区予選に向けてレベルアップを図っている。

 将来の夢を聞くと1人は「車関係の仕事につきたい」と言い、もう1人は「スポーツが好きなのでロボットで野球チームをつくれたらいいですね」。聞けば阪神ファン。もしかしたらチームを強くするプログラミングをつくってくれるかもしれない。(デイリースポーツ特約記者・山本智行)

関連ニュース

ライフ最新ニュース

もっとみる

    主要ニュース

    ランキング

    話題の写真ランキング

    リアルタイムランキング

    注目トピックス