横浜の連続中毒死事件は殺人の立証困難、容疑者の“殺意”が焦点 小川泰平氏が指摘

 横浜市神奈川区の大口病院(現・横浜はじめ病院)で2016年9月に入院患者2人が相次いで中毒死した事件で、うち1人の男性(当時88)を殺害したとして、同病院の元看護師・久保木愛弓容疑者(31)が7日に殺人容疑で神奈川県警に逮捕されたことを受け、元神奈川県警刑事で犯罪ジャーナリストの小川泰平氏は13日、デイリースポーツの取材に対して、「殺人を立証できるかが今後のポイント」と指摘した。

 小川氏は「容疑者が『20人くらいやった』と供述しても、当時使用された点滴の袋も、火葬されたためにご遺体も血液も残っていない。また、人間に対する(消毒液の)致死量が明確に分からない状態。終末期医療の患者さんが対象となったこともあり、混入した消毒液が直接の死因になったという確証もなく、この事件を殺人として立証できるかどうかは、非常に大変になるだろう」と説明した。

 消毒液の点滴への混入と死亡の因果関係を、証明、検証することは非常に困難である。殺人ではなく、傷害致死の可能性もある。その場合は、立件されても極刑は避けられる見通しとなる。

 一方で、「致死量は分からないが、これくらい入れたら死ぬかが分かってきた」という同容疑者の供述も報じられた。小川氏は「容疑者が点滴に入れる消毒液の量を変えるなど“実験”を繰り返し、どのくらい混入すれば患者が死ぬかが分かっていれば、間違いなく“殺意”はあることになる」と、この供述に注目。「まずは最初の殺人容疑の起訴が今月末になるであろうから、そこからが第一段階となる」と今後の展開を語った。

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