LGBTイベントを主催したハリウッド女優

 「しあわせのチューリップデー」と題して、4月4日に大阪・湊町リバープレイス プラザ1で画期的なイベントが開催された。LGBT(性的少数者)支援を目的として設立された一般社団法人「LGB・T」が「性別、個性に関係なく、誰もが輝ける日」という意味を込め、初めて主催したもの。関係者は毎年恒例のイベントにしたいと意気込んでいる。

 LGBTは20人に1人といわれるが、まだまだ社会的に正しく理解されていない。団体の代表理事を務め、トランスジェンダーで歌手・モデル・女優の麻倉ケイトは「すべての人が笑顔になり、楽しめるイベントを開催することで、当事者はもちろん一般の方々にも自然な形で知っていただけたら幸いです。それと誰もが気持ちよく使える“誰でもトイレプロジェクト”もよろしくお願いします」とあいさつ。オープニングには自民党の中山泰秀衆院議員らも臨席した。

 「4・4しあわせのチューリップデー」と命名したのは、3月3日と5月5日という二つの節句の間にあたる「4月4日」を性別や個性などの分け隔てなく、誰もが祝うことのできる日と設定したからだという。童謡「チューリップ」の一節「♪赤白黄色 どの花見てもきれいだな」にもあやかった。

 イベントには大阪市内のダンス教室に通う少年少女5チームも参加。日ごろ鍛えたヒップホップダンスなどを披露した。またチューリップデーにちなみ、モデルのKIRAさん、フラワーコーディネーターの三原京子さんによる『髪デコショー』の実演があり、赤いチューリップをはじめ、色鮮やかな50本の生花が盛られて会場を盛り上げた。

 麻倉が所属するタレント事務所「レインボーミュージック」の叶ともみ代表は、彼女がトランスジェンダーをカミングアウトできない時代からサポートしており「生まれた時の身体の性別と心の性別が一致しない方は、この会場の中にもおられるはず。このようなイベントをすることで、そんな方々への理解が深まれば」と感慨深げに話す。

 現在、麻倉は182センチという抜群のスタイルを生かしてマルチに活躍中。昨年5月にはロジャー・コーマン監督の映画「ピラニア・イン・ジャパン」のオーディションに合格、2019年に全世界同時公開予定で、ハリウッド女優デビューも決まっている。

 イベントの最後には花魁(おいらん)の格好で道頓堀へ繰り出し啓発した。「すべての人権が尊重される社会に」。早くも来年の会場として「なんばHatch」を予約。第一人者としてさらに実りあるイベントにするつもりだ。(デイリースポーツ特約記者・山本智行)

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