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西陣絣はおしゃれでかっこいい!手仕事の素晴らしさを守り伝える

 織師が西陣絣を織っているところ
 スタジオの一般公開で来場者に説明をする代表。バックの洋服は近畿大学の学生がデザインしたもの。
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 京都に「いとへんuniverse(ユニバース)」という任意団体がある。西陣絣職人、織師、ライターなど、さまざまな職種のメンバーが集まり、2014年10月に結成。西陣絣(にしじんかすり)や手織物の魅力を伝える活動をしている。

 絣(かすり)とは先染めした糸をずらして模様を作る技法の織物で全国に産地はあるが、そのうち西陣(京都府)に伝わり、着物や帯、能衣装に使われる絣を「西陣絣」と呼んでいる。昭和の最盛期には130軒ほどあったという絣屋は、現在わずか7軒。それも職人は高齢者ばかりで、40代の若手はたった一人。それがいとへんuniverseのメンバーである葛西郁子さんだ。

 同団体は「まずは拠点が必要」と、2015年にクラウドファンディングに挑戦。西陣絣の現状と自分たちの想いを伝え、支援金を募った。予想以上の反響があり、短期間のうちに目標金額の70万円を超える120万5千円に到達。それを資金に京都市内に一軒家を借りてスタジオとした。織機を設置し、ストールやバッグなどオリジナルプロダクトの製作をスタート。見学者の受け入れやワークショップの開催、小冊子の創刊、大学での特別講義など、メンバーはそれぞれの本職の合間を縫って活動を続けている。「クラウドファンディングによって認知度も高まり、人の縁が活動の場を広げてくれた」と代表の大江史郎さんは振り返る。

 去る2月18日には京都のモノづくり現場を公開するイベント「DESIGN WEEK KYOTO 2018」に参加し、スタジオを一般公開。当日は続々と人が集まり、大江さんらの説明を熱心に聞き入っていた。広報担当でライターの白須美紀さんは自身のスカートを指し、「コットン絣で作ったもの」だと説明する。通常はシルクで織るが、使い勝手の良さからコットンの生地も開発したという。生地そのものの販売だけでなく、外部の作家とコラボした眼鏡ケースやブックカバーなどもお披露目した。また、近畿大学経営学部山縣ゼミの学生4名を受け入れており、学生らのデザインによる西陣絣でリメイクした洋服も展示販売。「若い人にも西陣絣のカッコよさを伝えたかった」と学生の矢野智之さんは話す。彼らも西陣絣に関わるようになって、初めてその魅力を知ったという。

 同団体は単に西陣絣で利益を上げることを目的とはしていない。手仕事の素晴らしさ、手仕事でしか表せないモノの美しさや尊さを広く伝え、西陣絣という伝統工芸を後世につなごうとしている。そのためにいずれは企業化することも視野に入れている。白須さんは「西陣絣が“現代の布”になってほしい」と話す。例えばショップで売られている洋服を若者が見て「素敵!」「カッコいい」と感じて手に取ったら、実はそれが西陣絣だったというような、そんな存在になることを目指しているのだ。

 同団体のスタジオは毎月第2土曜のほか、イベント期間中の2月24日(土)、25日(日)10時~19時も一般公開する。西陣絣や同団体の活動に興味を持たれた方は、足を運んでみてはいかがだろうか。問い合わせ:075・555・8073(デイリースポーツ特約記者・山王かおり)

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