選択的夫婦別姓「不可欠な戦略」 経団連、実現求め都内で初シンポ

 経団連は1日、選択的夫婦別姓制度の実現を求め、企業向けのシンポジウムを東京都内で初めて開催した。経団連ダイバーシティ推進委員長を務める資生堂の魚谷雅彦会長最高経営責任者は「激変する世界のビジネス環境で日本企業が生き残るため、成長に不可欠な経営戦略だ」と強調し、法整備を求めた。会合では多様な夫婦の在り方を認めるよう求める意見が相次いだ。

 現在は女性が結婚後に夫の姓を選ぶケースが大半だ。経団連は6月、早期実現を求める提言を公表。業務での旧姓の通称使用は契約などでトラブルになる恐れがあり「ビジネス上のリスク」(十倉雅和会長)とする見解を示した。9月の自民党総裁選でも争点となり、1日の会合に参加した自民党衆院議員も夫婦同姓に限ることが「社会での女性活躍の妨げにつながっている」と指摘した。

 討論では、サニーサイドアップグループの次原悦子社長が海外渡航時や会社経営面での不都合のほか、結婚や離婚などプライバシーの露呈につながると説明。夫婦同姓も選べるとして「選択肢の多い社会づくりは大人の責任だ」と述べた。

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