【西野朗監督会見】選手交代ズバリ「自分の中ではベストな切り方」
「ロシアW杯・H組、日本2-2セネガル」(24日、エカテリンブルク)
死闘の末、ドローに持ち込んだ日本代表の西野朗監督が試合後の会見に出席した。本田、岡崎、宇佐美の順番で選手交代を行ったが「自分の中ではベストな切り方」と振り返った。宇佐美については、別の守備を意識した交代も考えたというが、勝ち切ることを考え「アイツを出しました」と西野監督ならではの言い回しで宇佐美を選択したと明かした。以下、一問一答。
(同時通訳機のつけ方が相変わらず分からず苦戦)
「本当にわからないんだよ…」
-この勝ち点1をどう評価するか。ハーフタイムにはどんな指示を出したか。
「非常にタフなゲームは想定していましたし、事実、そういう内容、結果になってしまった。2度追いついたのは、粘り強く戦えた。そう簡単に勝てる相手ではない。そういう中で、先制を受けた中で、その後のゲーム展開が非常に、落ち着いてというか。ある程度、自分たちの狙いとするところがリードされてから、組み立て、中盤の構成がとれた。それが追いついた」
(続けて)「ドローにならなくても自分たちの時間を作れた。選手たちはこのリズム、このテンポ、この戦い方を失点してから感じたと思う。ハーフタイムを迎える中で、選手たちは非常に自信に満ちていた。ボールも回せる、チャンスも作れている。ポジティブ。さらに改善、こういうもらい方などをやろうと後半に入っていった」
(続けて)「自分の中では勝ちきらないといけないので、第1戦と同じメッセージを。グラウンダーのボールを出していけばチャンスが増えていくと。このゲームに関しては勝ちきりたい後半を考えていた。最後も宇佐美か、抑えの選手を投入するかというチョイスがあったが、勝ちに行きたいという選択をした。その中での勝ち点1なので、これは高く評価したい。セネガルは非常にタフなチームで、結果に関しては次につながる内容、結果としていかないといけない」
-2度リードを許した中で、3枚の交代を切った。メッセージやその意図は。
「3人ともオフェンシブな選手であることが間違いない。あとはタイミングの問題で。自分の中ではベストな切り方。結果論ですが、3人ともオフェンシブな、得点を取りに行く。圭佑に関しては得点を取るためにポジションをセンターからワイドに移した。その結果として圭佑が、ああいう形に。貴史に関しては考えました。ただ、追いついて引き離したいという、勝ちきりたいという思いでアイツを出しました。タイミングが、非常にスタートのメンバーがリズム良くやっていて、後半も自分たちの時間帯が続いていた。ピッチにオフェンシブなメッセージを送る、それも最後まで送り続けたいと思っていた」
-敗者復活(と以前に位置づけていた)の3戦目となったが、どう考えているか。突破に向けて。
「そう簡単に、GLを2つで抜けるというのは、最高レベルの目標設定。初戦を取った(勝った)ことで、2戦目における執着心、ポイントスリーに執着する中で、3戦目を待たずにトライした中で、勝利して勝ち点6にして待ちたい(という希望があった)。それはかないませんでしたが、3戦目に間違いなく有効な、チームに有効なものをもたらした結果だと思います。敗者復活のゲームではなく、しっかりとトップで通過できる状況がまだあるゲームと考えたい、と思っています」
-フィジカルで上回る相手にも、きっちりと起点ができていた。
「まさにその通りだと思います。キックオフしてボールが半回転した瞬間、彼らのフィジカルの強さを感じた。開始早々はあの長友でさえ、並走しても離される。ウチの左サイドですら、やられるのではないかというところもあった。ただ、そこから修正する。ハセ(長谷部)にしても、ガクにしても、苦しいタイミングでのアプローチでも体をくっつけて自由にさせない。そういうのを徐々に慣れてきたというか覚えてきたというか、そういうコンタクト、ボールスピードに慣れていく時間帯があった。これは好転していくだろうなというのがあった」
(続けて)「そういう感覚があった中で得点できた。ある程度、セネガルの個の部分に対する対応は、選手は覚えたと思う。それが終盤にも。徐々に日本の選手の方が走れていたと思う。よって、勝ちきりたいというのは、当然起こることです」
-1失点目ですが、ミスが重なった。GKの不安定さを感じる。監督としてはどう感じているか。
「今も、ここに来る前に、その局面の話をしていたぐらいで。難しい対応ではなかったと思う。それをああいう判断をした、非常に残念ではあります。ただ、その後のリカバーは、やはり(川島)永嗣らしい。修正してピンチも救った。間違いなく、彼も悔やんでいると思いますし。連続してというところもあるんですけど、トータル的に考えて…っていうところです。ただ、もう少し、しっかりと分析しないといけない」
-マネをうまく抑えると言っていたが、これは成功したか。
「昨日も、彼を抑えることももちろん大事なのだが、それに関しては酒井宏樹がある程度、抑えて、彼のトップパフォーマンスを引き出させなかったと感じています。ただ、彼によって他の選手の躍動感が出てくるところを警戒していた。そういう意味で、前半の序盤は少し自由に、彼を自由に動かしてしまったかなと思います。彼自身への対応は悪くなかったと思います」