神戸GK飯倉大樹 最下位の現状に36歳が果たす役割「試合に出ることも大事だけど」

 J1神戸GK飯倉大樹(36)が21日、天皇杯3回戦・山口戦(22日・みらスタ)に向け、オンライン取材に応じた。

 1日の2回戦・富山戦(ノエスタ)に続いて天皇杯2試合連続の出場が濃厚なベテランは意気込みを問われ「頑張ります」と短く一言。しかしその後の質疑では「もういい歳だから『頑張ります』とか『どうにかしたいです』という言葉とはみんな聞き飽きていると思うから」と一変して冗舌となった。

 今季リーグ戦では出場4試合にとどまり、現在は前川黛也が正守護神を務める。「ちょこちょことしたけがはありましたけど、チームとして今、黛也を使っている状況。監督が選手起用は決めることだから、特にコンディション不良ということはないですけど、頑張りたい」と自身の現状を説明する。

 ビルドアップへの積極的な参加も持ち味の飯倉は好みが分かれるスタイルのGKでもある。「彼のストロングと僕のストロングというのは正反対。でもチームは守備的というか、黛也のシュートストップや身長のところを必要としている中で、僕はそこに対して、黛也と同じプレーはできないともう割り切っているので。自分が出るならやっぱりストロングを出してうまくいけばそれがアピールになるし、うまくいかなかったら自分の責任になる。そんなふうにずっとというか、去年もそうだし、折り合いをつけています」と話す。

 試合に出たい気持ちは常に持ち続けながらも36歳となった今、若い頃とは心境の変化もある。「自分の経験をみんなに還元できたり、若い奴が困っていたら自分が試合に出るということも大事だけど、サポートしてその子たちが成長できるようになってきたら、こういう場で『今のチームはこうですよ』とか、『僕はこうやって思います』ということを発信して、みんなが言えないことを言って、いい方向にいったらいいなとは思っています」と自身の役割を捉えている。

 現状チームは最下位。「サッカーは根本的に点を取らないと勝てない。守備に頭が全体的にいきすぎていて、結局失点しないためにしている守備で失点をしてしまって、持ち直せないというゲームが多いというか。この間の柏戦も1点取ったけど、その後、ポンポンと点取られてそこから反撃できないというのは今のチーム状況。だから何を変えると言われたら、これとこれとこれを変えたらいいという応急処置的な問題ではない」と指摘する。クラブが中長期的な目的を持ってチーム作りを導く必要性を強調する。

 そして自身が考える問題点を続けた。「守備しているから絶対ゼロで抑えられる自信をどこかでみんなが持ったり、例えばそのゼロが長く続くことによって、俺たちはどこかで点を絶対取れるという仲間への信頼だったり、そういうのが去年は特にはっきりとした戦術というものがなかったけど、やっぱり個々の能力とか勝つことによって信頼感が生まれて、いい方向にいっていました。今年に関しては形はあるけど、それが勝つための形に、みんなが同じ方向に向いていないと俺は思っているから」。

 厳しい言葉を続けるのはこの状況を変えていきたいから。「こういうジジイみたいな奴が根本的なことは言っていかないと。みんながそれに対してどう返ってくるのか、どういうふうに出していくのかは分からないけど、それをサポーターが見て、みんなの気持ちがどっちに向くかというのはすごい大事なことだと俺は思うから」と訴えた。

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