京都 12年ぶりJ1昇格 あわや“乱闘”も執念ドローで決めた チョウ監督築いた信頼関係
「明治安田生命J2、千葉0-0京都」(28日、フクダ電子アリーナ)
京都が千葉と0-0で引き分けて勝ち点83として2位を確定し、1試合を残して来季J1への昇格を決めた。2010年以来12年ぶりの復帰。既に昇格を決めていた磐田は群馬と0-0で引き分け、J2優勝を果たした。21位の愛媛、22位松本のJ3降格が決まった。J3でJ2ライセンスを持たない宮崎が2位以内に入った場合は3チームが降格し、宮崎が3位以下だと4チームが降格となる。
悲願達成を自力で決めた。引き分けでの試合終了と同時にチョウ・キジェ監督は拳を突き上げ、喜びを爆発させると熱い歓喜の輪を作った。
「自分は京都の歴史を背負うことはできないけど、ここから歴史を作ることはできる。それに応えた選手たちも素晴らしかった。勝ち点3を取れなかったが、今年の中でもベストゲームかな」。故郷を2010年以来、12年ぶりのJ1昇格へ導いた。
チョウ監督にとって再出発の1年だった。J1湘南の監督だった19年7月にパワハラが発覚。1年間のS級コーチライセンスの資格停止処分を受けた。昨年10月に処分が解除され、今季に京都から再起のオファーをもらい1年で結果を残した。
試合後には京都サポーターの前でチョウ監督の胴上げが試みられたが、大きく上がることなく2回。パリ五輪世代でチョウ・チルドレンのMF川崎は「だいぶきつそうだなと思った。これを機にちょっと痩せていただきたい(笑)」と重かったことをイジった。それほど選手との信頼関係も厚いものとなっていた。
試合は前半から猛攻を仕掛けたが得点を奪えず。昇格への思いは強く、後半35分過ぎには相手DF小田のファウルを巡って、両チームがピッチ外にまで及ぶ“乱闘”も起きた。それでも、試合後には千葉サポーターからも昇格を祝う拍手が送られた。
来季も指揮することが決定的なチョウ監督は「J1は甘くない。J1に上がったのは通過点」。かつては天皇杯も制覇した京都があるべきJ1の舞台に帰ってくる。