前がかりの積極守備で堅守が戻ってきたサンフレッチェ広島 最近4試合で計1失点

 残り10試合を切ったところで突然、サンフレッチェ広島に堅い守備が戻ってきた。

 最近4試合で3勝1敗。勝利は全て完封で、敗戦も失点1。この4試合だけに限れば川崎(4戦全勝)に次ぎ、神戸、浦和と並ぶ戦績。4試合1失点という守備は、大分と並んでリーグトップだ。

 7月3日の鳥栖戦から広島は8試合連続で失点を重ねていた。だが9月18日、ドウグラス・ヴィエイラのハットトリックで柏に3-0と勝利すると、そこから広島伝統の堅い守備が復活。札幌戦こそJ通算500試合出場を果たした林卓人のスーパーセーブに助けられた感があったが、柏と名古屋での完封劇では相手にチャンスすら創らせていない。

 特に林がJ1通算100試合完封を成し遂げた名古屋戦はほぼパーフェクトに近い。林自身、「きょうの自分の仕事量(の少なさ)を見ても、GKからすれば本当に助かります」とコメントしたように、チームとしての守備が抜群に機能し、名古屋に決定的なシュートを許さなかった。

 何がどう変わったのか。柏戦では、青山敏弘、柴崎晃誠、ハイネルの中盤がボールを保持し、ボール支配率を向上(51・7%)させたことが、いい守備の要因。しかし札幌戦は39・6%、名古屋戦にしても46・7%と、ボール支配率は高くないが、それでも相手は広島のPA内になかなか入れていない。札幌は11回(広島は18回)、名古屋は8回(広島は16回)とPA内侵入回数では大きな差がついている。

 その要因としては、チームとして前にかかる積極的守備が挙げられよう。前線での守備から連動し、最終ラインまで前に出て相手を押し下げる。この守備姿勢が効果的だ。

 前に出ることは裏を取られる危険もある。だが「一発のパスで裏を取られなければ、追いつける」と荒木隼人は自信を見せる。アグレッシブな守備ができれば、名古屋戦のように、いいボール奪取からの得点も可能。リスクを怖れない強気な姿勢が、結果として堅守と勝利につながっている。(紫熊倶楽部・中野和也)

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