U24代表“兄弟対決”で課題浮き彫り 0-3完敗に森保監督「物足りない部分あった」

 「強化試合、日本代表3-0U24日本代表」(3日、札幌ドーム)

 東京五輪世代のU-24(24歳以下)日本代表は、「兄貴分」の日本代表に格の違いを見せ付けられ、0-3で完敗した。DF吉田麻也(32)=サンプドリア=らオーバーエージ(OA)の3人がベンチスタートとなる中、前半開始直後から攻守に圧倒された。日本の代表チーム同士の対戦は、1980年12月の日本代表-日本代表シニア以来となった。U-24日本代表は5日に、国際親善試合でU-24ガーナ代表と対戦する。

 五輪初戦の49日前に幾つかの課題が顕在化した。オーバーエージ(OA)3人を除くと実質15人に絞られる五輪代表の最終選考。先発メンバーの大半にあえて当落線上の選手を並べたが、OAの重要性が際立つ結果となり、森保監督は「出た選手全てではないが、物足りない部分があった」と厳しい言葉で“兄弟対決”を総括した。

 立ち上がりの甘さが露呈した。前半2分にCKから簡単に先制点を献上。マークを完全に見失った緩い守備にMF板倉は「最初の失点が痛かった」とうつむいた。五輪では序盤の失点が致命傷となる。16年リオ五輪初戦でも日本は前半6分に先制を許し、そのまま5失点で敗戦。初戦の黒星が尾を引き、1次リーグ敗退に追い込まれた。2点を追う後半早々の7分にも、右サイドを容易に崩され追加点を与えた。前後半で同じ過ちを繰り返す失態。3失点を喫し、OA3枠を守備的な選手に使用した妥当性を証明する形となった。

 攻撃ではFW田川やFW前田が数少ない決定機を逃し、FW林にも得点は生まれなかった。トップ下で前半のみ出場したMF久保建の果敢な仕掛けは可能性を感じさせたが、前線の決定力不足が如実に現れた。前田は「結果を残さないとFWにOAを使うとなりかねない」と危惧していたが、周囲を納得させる結果は示せなかった。

 最終競争で浮き彫りとなったのはOA不在時のひ弱な姿だった。OAのMF遠藤航がボランチに入り攻守に見違えた事実が、FW大迫の「OAが入ると全く違うチームになる」という言葉を実証していた。

 東京五輪での金メダル獲得を掲げる森保監督は「目標を達成しようと思った時に、今日の試合の強度の中で自分のプレーができなければ上を目指すのは難しい。(五輪の)最終選考や日本代表に入ってくることは難しい」と断じた。ただ、選考が終わった訳ではない。「若い選手たちは短期間で一気に変わる。刺激を受けたと思うので、『変わったぞ』というところを見せて欲しい」と奮起を促した。残された2試合で指揮官を刮目(かつもく)させることができるだろうか。

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