カズが帰ってきた!53歳J1最年長出場の金字塔に万雷の拍手 チーム惜敗も躍動貢献

 前半、攻め上がる横浜FC・三浦(撮影・棚橋慶太)
 手をたたきイレブンを鼓舞する三浦知良
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 「明治安田生命J1、川崎3-2横浜FC」(23日、等々力陸上競技場)

 キングがJ1の舞台に帰ってきた。サッカーJ1横浜FCの元日本代表FW三浦知良(53)が川崎戦で先発出場し、53歳6カ月28日のJ1最年長出場記録を打ち立てた。今季リーグ戦初出場で、2012年に札幌のFW中山雅史がマークした45歳2カ月1日を大幅に塗り替えた。J1でのプレーは07年12月以来、実に4680日ぶり。日本サッカー界のレジェンドは周囲への感謝を述べつつ、次なる戦いへと思いをはせた。

 冷たい雨の中でも情熱的なプレーは健在だった。通常ならDF田代かMF佐藤が巻くはずの赤いキャプテンマークをカズが巻いて先発でピッチに立った。

 「監督も含め(佐藤)謙介にしろ、田代にしても僕にキャプテンマークをって言ってくれて、みんなの気持ちを全て腕章に込め、責任を持ったプレーをしたいと思ってグラウンドに立ちました」。

 言葉通り、攻め込まれる苦しい展開でも必死の形相でボールを追いかけた。失点を重ねても下を向くことなくチームに声をかけ、勝利を目指す姿勢を貫いた。

 得点こそならなかったが、チャンスは作った。前半37分。左サイドでカズにボールが渡ると背後から強烈なタックルを受け、倒されながらも執念でボールをつなぎ、ゴール前まで迫る攻撃の起点となった。

 プロ35年目。「僕がグラウンドで試合に立てるのはみんなの力、助けがあってこそ。きょうJ1の舞台に立てたことは本当にみんなに感謝したい」。2007年12月1日以来4680日ぶり、56分間のJ1出場をかみしめた。53歳6カ月28日のFWは、45歳2カ月1日の中山雅史(札幌)を超えて最年長出場記録を更新した。

 V川崎時代にJ1初ゴールを決めた等々力。「相当昔の話、意識していなかった」と苦笑い。かつてのホームの敵サポーター、ファンはカズを温かく迎えた。スタメン発表、そして途中交代でピッチから退くときには、万雷の拍手が注がれた。

 三浦はMF中村、松井とも同時先発でJ1初共演となった。「プロフェッショナルな3人が同時に出て、チームにいい影響になった」と下平監督。3人合計134歳ベテラントリオはチームを果敢にリード。中村のコーナーキックから1点が生まれるなど後半に追い上げた。ただあと一歩及ばず、首位・川崎を相手に惜敗した。

 出場だけでは当然満足していない。カズは「相手のペナルティエリア近くでもっとチャンスに絡みたかった」と悔しそうな表情を浮かべた。すでに次の戦いを見据え、「この後、出るチャンスを得られるようにチーム内の競争で勝ち取って、フロンターレと戦ったことを次につなげたい」。結果にこだわり続けるキングが今度は、ジーコの持つJ1最年長得点(41歳3カ月12日)を塗り替える。

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