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森保監督、コロナ影響下の思い激白 五輪延期に「この一年間すごくポジティブに」

 サッカー日本代表と五輪代表を兼任する森保一監督(51)が17日までに、デイリースポーツの単独インタビューに応じた。新型コロナウイルス感染拡大の影響で、サッカーを含めたスポーツ界の日常が停止。東京五輪も1年の延期が決まっている。自粛期間は長期化しており、社会には閉そく感が漂う。五輪代表の強化プランや、A代表のカタールW杯に向けたアジア予選-。先行きが見えない中、兼任指揮官の考えを聞いた。

 ◇  ◇

 すっかりおなじみとなったテレビ会議アプリを使ってのインタビュー。画面の向こうの森保監督は、少し髪が伸びていた。それでも柔和な笑顔はいつも通りだった。「新しいサッカーの情報はないので、これまでの試合を見たりしている。スタッフとのミーティングもしています。あとは、散歩とかジョギングを体調を見ながら外の空気を吸いに。家にいる時間が長いので、少しでも家のことをやろうと。でも(家事は)手伝ったふりになっているかもしれません」

 未知のウイルスの影響で、国内リーグの中断が決まったのは2月25日。日を追うごとに欧州でも感染拡大は進み、欧州各国リーグも開催を停止。3月下旬に予定されていたW杯アジア2次予選は延期となり、そして3月24日には東京五輪の延期も決まった。

 強行開催、1年か2年の延期、中止…。情報が錯綜(さくそう)した末に1年延期が決まった東京五輪。現役アスリートが苦しい心境を吐露する声は今なお聞こえてくる。森保監督自身も本来であれば今夏までが五輪代表監督としての期間。契約延長について「(話は)していない。先の話がどうなるかは、またその時に」と語る。その上で「自分がやるにしろそうじゃないにしろ、未来につながっていくことをやる。今後の日程が全く出ていないので、選手たちのコンディション、所属クラブでの活動状況、予定といった情報を収集しながら選手を見るのが今できること」と現状を見つめ「来年行われる予定であることについては、すごくポジティブだ」と前を向く。

 東京五輪サッカー男子の出場資格は、3人まで認められるオーバーエージ枠を除くと1997年1月1日以降生まれと定められていた。これが延期となった東京五輪でも適応される見通しとなっており「これまで五輪を目指してきた選手たちがそのまま東京五輪を目指せる。1年間レベルアップができるということ。また新たに力を見せてくれる、成長してくれる選手が出てきたり、実力は間違いなく上がる。この1年間はすごくポジティブに捉えている」と説明した。

 もちろん1年間という時間の猶予は、他の出場国にとっても同じ。さらに選手が成長して所属クラブでの立場がより欠かせないものになれば、五輪本大会での招集ハードルはむしろ高まる。それでも「その中で選手の個の力を上げ、チーム力をさらに上げられれば。大会が延びたということで、オーバーエージ(候補)も、五輪世代の選手たちも成長や努力で変わっていく。この変化をパワーアップにつなげられるようにしたい」と絵を描く。

 兼任するA代表ではW杯予選が中断中。五輪延期でW杯本大会に向けたアジア最終予選と五輪代表の活動が重なる可能性が高く、二つの代表を両立させるために、さらに頭を悩ませることになる。だが、日本サッカー界の発展を第一に考えるスタンスはぶれない。

 「(これまでも五輪代表の活動中に)監督がいなかったことで、周りの方々はいろんな意見があると思う。ただそこを除いて、選手を幅広くリサーチするという横軸、若い選手がA代表の選手と融合することで基準が上がってレベルアップにつながる縦軸。この関係は間違いなく兼任でないとやれない。選手たちやチームの将来的な強化、Jリーグを含め日本のサッカー全体がレベルアップしていく部分で、兼任はポジティブ」

 もちろん、個のスキルアップが求められるのは指揮官も同様。「あまり本を読むタイプではないが、仕事に生かすと言うことで最近は指導者の方々の本などを読んでいる」と明かす。W杯で日本代表を2度指揮した岡田武史氏の『岡田メソッド』や、米国の経営コンサルタントであるスティーブン・R・コビー氏の『7つの習慣』を読み返し、J1広島時代の教え子である森崎兄弟の共著『うつ白』にも目を通した。そして「戦国武将とかも見てみようかな。指導者、経営者のリーダーシップの取り方、考え方はサッカーの現場にも生かせる。いろんな学びができる」と語る。

 17日現在、39県で緊急事態宣言が解除されているが予断は許さない状況で、自粛期間は長期間に及んでいる。閉そく感が漂う社会だからこそ、森保監督は人に寄り添うことの重要さを語る。

 「寄り添う、人の助けになることをしたいという気持ちは持っているつもりですが、それは自分より、周りがどう思うか。サッカーはもちろん、何をやるにしても一人じゃないという感覚があって。少しでもその人の立場になって考えてあげたい、寄り添ってあげたいという行動を起こしていきたいなと常に思っている。気持ちは分かってるよ、と。『いや分かってないだろう』ということも多いと思うので、少しでも分かろうと努力していきたいし、そこを伝えていきたい」

 ウイルスが生活を一変させたこの世界を受け止め、人とサッカーを思い、ひたむきに戦っていく。

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