Ｊ１神戸の日本代表ＦＷ古橋亨梧（２５）が５日までにキャンプ地だった沖縄県読谷村でインタビューに応じた。昨季１０得点８アシストを記録し、１９年１１月には日本代表デビューを飾るなど大きく飛躍を遂げた２５歳が描く未来とは－。大阪・興国高の同級生であるリバプールＭＦ南野拓実（２５）への思い、今季に懸ける意気込みなどを語った。

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　－昨季を振り返って。

　「個人的にはケガがあったし、チームが勝てなくて監督が何回も変わった。大変でしたが、その経験があったから、最後に（天皇杯優勝で）笑って終われた。クラブがタイトルを取れてすごくうれしいし幸せ。だけどそれは昨季のこと。サッカー人生が終わってから噛みしめたい。まだ満足してはいけない」

　－１９年は日本代表にも初選出された。

　「僕一人でここまで来られた訳ではないので周りにすごく感謝している。試合には出られたが結果は大敗。何本かチャンスもあったが決め切る力を持たないと生き残れない。より結果を残さないといけないという気持ちが強くなった」

　－結果を出すための取り組みは。

　「ゴール前の仕掛けを意識するようになった。ルーカス（ポドルスキ）やダビ（ビジャ）から『パスを出せ』とすごく言われたが、そこは我を貫くというか、いい意味でエゴを出してシュートにいくというのがすごく増えた」

　－結果に対する意識はいつから変わった。

　「１８年のアウェー名古屋戦くらいから。それまでは周りに気を遣ってパスでパスでというプレーが多かったが、初めて最前線の１トップになって、パスに逃げてるとダメだなと思った。海外のハイライトを観ると、横にフリーの選手がいてもシュート打ってる選手が多い。そういう意識は必要だし、決めれば誰も文句は言わない。結果は大切だとあらためて思う」

　－思い描く未来は。

　「南野（拓実）選手ら同年代が海外に行っている。ああやって自分の実力でビッグクラブに行けるというのは刺激になる。僕もそういう選手になりたい」

　－南野とは大阪・興国高で同学年だった。

　「クラスが違っていたので、ほぼ接点はなかった。なかなか会って話す機会もなかった。世代別代表にも入っていましたし、当時は僕も『すごいな』という感じ」

　－南野選手はどういう存在。

　「追い付きたい存在。僕が偉そうに言えないですけど、勝手にそう思っています（笑）」

　－自身は将来バルセロナでプレーしたい。

　「あそこでプレーしてみたいというのは僕の目標。いきなり行けるとは思っていない。まずは海外に行ってプレーして、活躍して初めて行ける」

　－オフはバルセロナへ行った。

　「観光です。語学に触れるという意味もあった」

　－スペイン語は勉強している。

　「ちょっとです。少しずつ喋れるようになりたい」

　－オフに何か自分へご褒美は買ったのか。

　「いや、あんまり。誕生日（１月２０日）に財布を買ったくらい」

　－両親に何か買ってあげたりは。

　「以前実家に車を買いました」

　－親孝行した。

　「貯金していたんで（笑）」

　－物欲はあまりないか。

　「そんなにないですね。今はサッカーができればいい。プライベートを話すのは恥ずかしいです（笑）」

　－結婚に興味は。

　「したいですけど、今はサッカーで流れが来ている。いい人に出会えばより意識するんじゃないかなと思う」

　－海外移籍するなら、一緒に行ってくれる人がいた方がいいか。

　「もちろん来てもらえたら嬉しいですけど、最初は一人で行って逃げ場を作りたくない。もし（海外に）行くことがあればですよ（笑）。まず語学も覚えないといけない。通訳がいるかもしれないけど、一人で行って自分でやれることはやっていきたい」

　－自分を追い込むタイプ。

　「競争に打ち勝つためには、逃げ場を作ってしまうと、それが甘さになってしまう…と僕は勝手に思ってます（笑）。逃げ場だけは作りたくない、ダメなら日本に帰るという考えはないです」

　－昨夏オランダからオファーが来た。

　「そういう評価をしてもらえたのはうれしかったですが、いろいろ話をして、考えて（残留を）決めたことなので後悔はないです」

　－さらなるステップアップへ。

　「満足してしまうとそこで終わってしまう。謙虚に努力していかないと、この先何が起こるか分からない。ケガして辞めてしまうことも、評価が下がって試合に出られなくなってしまうこともあるかもしれない。地道に努力して、『もっともっと』という欲を持ってやっていきたい。引退する時に初めて満足できたらと思います」