【福西崇史 熱血EYE】攻撃の緩急をコントロールできる選手がいない
「U-23アジア選手権・1次リーグB組、日本1-2シリア」(12日、パトゥムタニ)
サッカー男子の東京五輪アジア最終予選を兼ねて行われ、1次リーグB組の日本は12日のシリア戦に1-2で敗れて2連敗で1次リーグ敗退が決まった。
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前回と同じPKと終了間際の失点。サウジアラビア戦に出ていた選手とそうでない選手の差が出た。例えば相馬や食野は球際の強さ、対応力があった。一方で初めて出た町田はPKに絡んでしまったり、決勝ゴールではカバーしきれなかった。
前戦と比べると、やりたいことは見えていた。攻撃は崩しの部分があったし、シュートで終わる場面も多かった。仕留めきれないのはシュートの技術、精度が足りないから。崩す際のリズムがいつも単調で変化がない。リスクを承知で人数に厚みを持たせて攻める場面も作れない。
せっかくサイドからクロスを上げても中に一人しかいなくては、なかなかシュートまでいけないし、ゴールは決まらない。攻撃に緩急をつけたり、いけるときは一気に攻め込んだり。そういうことをコントロールできる選手がいない。
最終戦はもうアピールするしかない。このままでは、このメンバーでは難しい。やはり海外組が必要だな、と評価されても仕方ない。あくまでチームでの戦いが優先だが、その中で個々がどう生き残るんだという気持ちがこもったプレーを見せられるかだ。(02年日韓、06年ドイツW杯日本代表=デイリースポーツ評論家)