神戸・三木谷会長インタビュー【1】神戸を引き受けた理由は…故郷に対する恩返しという意味が強い

 「天皇杯・決勝、神戸2-0鹿島」(1日、国立競技場)

 阪神・淡路大震災から25年という節目を前に、神戸がクラブ創設25年目で悲願の初タイトルを獲得した。三木谷浩史会長(54)が1日、東京都内でインタビューに応じ、震災や神戸への思いなどを語った。

  ◇  ◇

 ◆1995年1月17日に発生した阪神・淡路大震災で、日本興業銀行(当時)の行員だった三木谷会長は叔父、叔母や友人を亡くした。

 -震災の経験

 「孫正義さんと一緒に米国出張する予定だったが、朝起きたら同じ銀行で働いていた同郷の同級生から『テレビを見てるか、大変なことになっている』と電話が掛かってきた。テレビを見ると阪神高速が倒れていて、電話も通じないし『これは大変だ』と。出張もとりやめて、翌日岡山に飛んで、Uターンする形で神戸に入った。(叔父と伯母は)月見山(神戸市須磨区)に住んでいた。古い家だったので…そんなこともありました」

 -人生観の変化は

 「ご遺体がたくさんある公民館を訪れ、死亡届を取るために神戸の西から東まで自転車で行ったりした。関西で地震があるなんて、まさか神戸に大きな地震がくるなんて当時は想像もしていなかった。『何でもあるんだな』と思った。自分の限られた時間の中で精いっぱいやらなきゃ後悔するなと、悟りを開いたというと言い過ぎだが、恐れることは何もないと。日本人というのは失敗したらどうしようかとか、周りの人がどう思うかとか、そういうことを気にする人が多いが、自分が正しいと思うことを、失敗してもいいからやろうと、ふと思いました」

 ◆神戸は03年には約16億円の負債を抱え経営破綻。クラブ消滅の危機に瀕した神戸の救世主として現れたのが、当時弱冠38歳で「楽天」を率いていた三木谷浩史氏だった。04年には三木谷氏が代表を務める「株式会社クリムゾンフットボールクラブ」が神戸の営業権を取得した。

 -神戸を引き受けた理由は

 「今だから言うけど本当はね、引き受けるつもりじゃなかったんですよ。『引き受けないとどうなるんですか』と聞いたら『このクラブは消滅する』と言われたので、それはさすがに忍びないなということで、お金も大量に損することも分かっていたけど、恩返しと思って引き受けたら、どっぷりハマっちゃいましたね(笑)」

 -決断に迷いは

 「いや、『金は天下の回り物』じゃないですけど、神戸に生まれて育ったから今の自分がある。三木谷家は代々神戸。プロビジネスなので、最終的には収支を合わせないといけないけど、一方で故郷に対する恩返しという意味が強いです。まあ、ちょっと(お金を)使い過ぎましたけど(笑)」

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