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広島GK大迫 城福監督の厳しい指摘は親心の表れ

 失点について個人の名前を挙げることがほとんどないJ1広島・城福浩監督が珍しく、個人のミスについて言及した。ただそれは、ほとんどの人が気づいていないプレーへの言葉だった。

 「大迫は学ばないといけない。プレーの選択が正しかったのか、時間帯を意識していたか。結果的にそこから失点している事実を、彼は認識しないと」

 9月28日、対名古屋戦(Eスタ)の前半44分。20歳の守護神・大迫敬介は、自分に戻ってきたバックパスをダイレクトでつなごうとした。それがミスとなり、スローインから相手につながれ、あっという間にボールを運ばれての失点。ここまでの広島があまり見せたことのない、フワッとした守備から相手に同点弾を許した。

 「自分のせいで勝ち点2を失った。申し訳ない気持ちでいっぱいです」

 今季、GKのポジションを勝ち取り、日本代表にも選出された若者は試合後、悔しそうに表情をゆがめた。ただ、正直なところ、この失点シーンの要因を大迫のキックミスに求めるのは厳しすぎるのではないか、とも思った。相手に直接ボールを渡したのではなくスローインになっただけ。集中を切らせた他の選手に問題があるのでは、と考えることもできる。

 しかし、そんな何気ないところで隙を見せてはいけない世界でプロは生きている現実も忘れてはいけない。神は細部に宿るというが、ああいう何気ない場面にこだわりを見せないと大きなものを失ってしまう。その厳しさを、指揮官は若者に伝えたかった。だからこそ本人に対して厳しく指摘し、あえて記者の前でコメントを残したのだ。巨大な可能性を秘めた大迫敬介という才能を、本物に育てるために。

 ハイボールのほとんどをキャッチで収めるスキルは日本人でも屈指。川崎戦では見事なキックでレアンドロ・ペレイラのゴールを導いた。数々の名GKを輩出した広島の伝統を受け継ぎ、世界で日本人GKのクオリティを見せつける。そんな期待が膨らむ若者だからこそ、細部に神を宿らせてほしいと願う。(紫熊倶楽部・中野和也)

 ◆大迫敬介(おおさこ・けいすけ)1999年7月28日生まれ。鹿児島県出水市出身。GK。背番号38。15年にサンフレッチェ広島ユースに入団し、17年にプロ契約。今年の開幕戦でJリーグデビューを飾る。日本代表にも選出され、6月の南米選手権・チリ戦で代表デビュー。東京五輪を目指すU-22日本代表にも選出された。186センチ、86キロ。

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