【記者の視点】森保ジャパン 90分トータルで考える落ち着きあった

 日本代表・森保監督
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 7大会連続のW杯出場を目指すサッカー日本代表は、敵地でのタジキスタン戦(15日・ドゥシャンベ)に臨み3-0で勝利。アジア2次予選3連勝でF組首位に立った。立ち上がりから出足の鋭いタジキスタンを相手に前半は互いにスコアレス。だが、後半にMF南野拓実(24)=ザルツブルク=が2得点。終盤にはFW浅野拓磨(24)=パルチザン=が加点した。完全アウェーの雰囲気で勝ちきった裏には、90分間トータルで考えられる落ち着きぶりがあった。

  ◇  ◇

 タジキスタンは日本をのみ込むような勢いで立ち向かってきた。FIFAランクでは格下だが、みっちりと合宿を張ってきたこともあり、長距離移動をしてきた日本とのコンディションの良さは明白だった。不慣れな人工芝への適応に苦しむ日本に襲いかかった。

 決定機がありながらもスコアレスで終わった前半。MF柴崎は「ちょっと嫌な感じを個人的には受けていた」。決定機は作るも、1トップに入ったFW鎌田とMF南野の役割がかみ合わずに得点は生まれず。それでもDF吉田は冷静に「アジアでは良くあるがその強度は続かない。後半仕留められれば」。焦る必要はない。90分トータルで勝負どころをしっかりと見極めた。

 ハーフタイムのロッカールームでも慌てた空気はなかった。森保監督は不在のFW大迫の代役として「今チャレンジするべきこと」と鎌田を1トップで起用。だがむしろトップ下の適性を強く認め、鎌田と南野が後半からポジションチェンジすると話し合っていることを「聞いて聞かぬふりをした」と苦笑いで認めた。選手の自主性を重んじ、多くの可能性を探る指揮官のスタイルが表れていた。

 臨機応変な戦いぶりに、チームの成熟さが見える。それでも指揮官は南野の1トップ起用を例に「最終予選、世界を考えた時に、拓実にとっても良いのかとも考える。日本の武器としてどう使うのがよいのか」とさらなる進化の可能性を探る。勝利と成長を求める作業に終わりはない。(デイリースポーツ・サッカー日本代表担当・松落大樹)

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