【福西崇史 熱血EYE】勝ち点3を手にして課題出た
「アジア杯・1次リーグ、日本3-2トルクメニスタン」(9日、アブダビ)
2大会ぶり5度目の優勝を狙う日本はトルクメニスタンに先制を許したが、後半にFW大迫勇也(28)=ブレーメン=の2得点で逆転し、3-2で勝利を収めた。16強入りした昨年のW杯ロシア大会後に就任した森保一監督(50)の下で臨む初の公式大会。苦しみながらも頼れるエースの奮闘で、森保JAPANが何とか白星をもぎ取った。
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全体を通して一番気になったのが、後半の失点の仕方だ。PKに至る前、切れ込んだ相手の選手に対して、出遅れてしまい、絞りきれなかった。ラッキーパンチはある。こぼれ球を入れられることだってある。しかし、あの場面における守備のリスク管理はどうだったのか。
先制された場面も、相手のシュートをほめるべきところはあると思う。しかし、自分たちのミスから取られた。ピッチに熱がこもるような暑さもあって、後半、トルクメニスタンがバテてくれたものの相手がもう少し強いチームだったら、どうなっていたか分からない。
大迫の同点ゴールは、原口がくるタイミングを見計らい、もらい方も良く、うまく切り返した。2点目も、原口、長友が高い位置を取ってサイドを崩したことで、大迫は自分のところにくると準備していたから、しっかり決められた。
堂安は思い切り打ったことが良かった。しっかりシュートを意識しているし、気持ちが前面に出ていた。
私もアジア杯の経験があるが、初戦は難しい。相手がどう出てくるのかが分からない。負けられないという気持ちがブレーキをかけたりもする。勝ち点3を手にして課題が出た試合。ただ、こういう一戦を経てチームが良くなる可能性はある。(02年日韓、06年ドイツW杯日本代表=デイリースポーツ評論家)