川崎、史上5クラブ目の連覇 最大13差逆転!今年は涙なし

 「明治安田生命J1、C大阪2-1川崎」(10日、ヤンマースタジアム長居)

 昨季王者の川崎が、史上5クラブ目となる連覇を達成した。敵地でのC大阪戦は0-1の後半45分にMF家長昭博(32)がPKを決めて同点に追いついたが、終了間際に勝ち越し点を許して1-2と敗戦。それでも2位の広島が仙台に0-1で敗れたことでJ1制覇が決まった。2試合以上残しての優勝は10年の名古屋以来。G大阪MF遠藤保仁(38)は湘南戦にフル出場し、史上2人目のJ1通算600試合出場を達成した。最多出場は名古屋のGK楢崎正剛(42)の631試合。

 涙なき優勝が、川崎の立ち位置を何よりも表していた。「今日の試合に関して言えば、いくらでも(注文を)言えるけど、それでも連覇した。1年間の取り組みが結果として出てホッとしている」。MF中村は安どの表情で喜びをかみしめた。

 悲願の初優勝を経て、チャンピオンチームとして迎えた今季。追われる立場として、覇権奪取を目指す他クラブのマークは激しかったが「そこに対しては覚悟を持って戦って欲しいと選手には伝えた」と鬼木監督。タイトな守備に加え、攻撃ではショートパスを主体にボールを保持して相手を押し込むスタイルは変えない。連覇に向けて新たな武器を探すのではなく、持っている武器を“研ぎ澄ます”道を選んだ。

 中村は言う。

 「去年、やるべきことは見えたから、その質を追求していった。相手が対策、分析してきてもそれを上回る。1人1人が質を上げるために、毎日に真摯(しんし)に取り組む。(練習場である)麻生グラウンドはウソをつかないから」

 今季の初戦となったゼロックス杯を含め、公式戦3連敗からスタート。5月にはリーグで2年半ぶりとなる連敗も喫したが、「自分たちのサッカーを信じ続けた」(鬼木監督)。派手な変化はない。それでも確かに前に進み続けた。躍進を支えたMF家長は「足りない部分もいっぱいあるが、30歳を超えて成長できている。まだまだサッカー選手として成長できる」と語る。確実な個の成長が、打倒王者の野心を抱くライバルの対策を上回り、2年連続での戴冠につながった。

 見据えるのは、さらなる高み。家長が「優勝しても終わりじゃないんやなと思った。残り2試合もあるし、来年もある」と語れば、チーム最多の15得点を決めたFW小林も「黄金期じゃないが、常勝クラブになっていかないといけない」。長きにわたってチームを支えてきた中村は「また来年も(タイトルを)取りたい。後輩たちにとって、これがフロンターレの日常となるように」。涙なき優勝は、常勝へと歩み出している証しでもある。

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