【記者の視点】J1川崎の連覇…心技体のレベルアップが実った必然

 「明治安田生命J1、C大阪2-1川崎」(10日、ヤンマースタジアム長居)

 昨季王者の川崎が、史上5クラブ目となる連覇を達成した。敵地でのC大阪戦は0-1の後半45分にMF家長昭博(32)がPKを決めて同点に追いついたが、終了間際に勝ち越し点を許して1-2と敗戦。それでも2位の広島が仙台に0-1で敗れたことでJ1制覇が決まった。2試合以上残しての優勝は10年の名古屋以来。

  ◇  ◇

 心技体-。3つの側面でのレベルアップが連覇につながった。

 「チャンピオンとして臨むシーズンの苦しさを感じた」。MF中村は率直な感想を吐露したが、メンタル面の成熟度は格段に上がっていた。

 初優勝した昨季は2位で迎えた最終節で逆転優勝。だが、今季は9月29日の第28節・長崎戦で首位に立って以降、広島の失速にも助けられたが、一度もトップを譲らずに優勝を決めた。勝ちきれない時期もあったが、MF大島が「ここは落とせない、というところで勝ってきたという自負はある」と胸を張るように、8月19日の敵地・広島戦(2-1)など、大一番での勝負強さが光った。

 技術面では、鬼木監督が「選手たちは100%の毎日を過ごしてくれた」と語るように、質の高い定位置争いの中で切磋琢磨(せっさたくま)する日々がチーム力を押し上げた。中村が「(昨季の優勝で)個々の経験値もあがったし、引き出しも増えた」と振り返るように、昨季優勝したという成功体験も大きかった。

 また、今季からフィジオ・セラピスト(理学療法士)を専属スタッフとして招へい。W杯イヤーの過密日程も影響してか、負傷者が激減したわけではなかったが、ケガ人の早期復帰を後押しした。

 一見すると昨季と同じスタイルだが、さまざまな面での進化を見せた川崎。必然の連覇だった。(デイリースポーツ・サッカー担当・松落大樹)

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