「サッカー・東アジアＥ－１選手権、日本１－４韓国」（１６日、味の素スタジアム）

　完敗を喫した日本代表のバヒド・ハリルホジッチ監督が試合後会見では「Ｗ杯はまた別物。本日のチームで戦うわけではない」と語った。

　試合直後のフラッシュインタビューの段階から「韓国が格上だった」と今大会のチームでの実力差を認めていたが、会見でも「韓国の方が大きく上回っていたと思う。パワー、テクニックでゲームをコントロールするのは驚くべきものだった。非常に高いレベルの試合を韓国はした」と表現した。欧州組を招集できない日程での試合だったが、「今大会には１０人１１人の選手を呼びたくても呼べなかった。しかし、その選手を呼べたとしても、今日の韓国戦は難しかっただろう」とも語った。

　国内組の最終テストという意味合いの強い大会を「選手を見るのも一つの目的だった」と振り返った。その上で、「フルメンバーのＡ代表で戦っても、この韓国に勝てたかは分からない。この韓国のプレーを見ると、あまり大きなことはできないのではないかと思う。受け入れがたいが、この真実も受け入れていかないといけない」とも語った。「この大会を戦った日本代表はＡ代表ではなかったかもしれないが、これがＢ代表なのか、ＣなのかＤなのかは分からない。ただ、現代表ではベストなメンバーを選んだ。中村憲剛（川崎）も呼べたが、彼をのぞけばベストメンバーだった。たくさんのケガ人もいて、ホームで相手に支配されたのがなぜなのか、分析しないといけない」と反省が必要だとした。

　ただ、日本国民にとっては絶望の結果だとする趣旨の質問を受けると、「この大会を通じて、良い結果を残せたと私が言っているが、日本国民が質問しているということですね」と反応。「私とは違う意見です。私と違う意見があっても良いが。この２勝は素晴らしい結果です」と反論した。「今日は韓国が完璧に支配して、比較してはいけないほどだった。その中でも選手はベストを尽くして戦った。Ｗ杯はまた別物。本日のチームで戦うわけではない。代表候補をたくさん見たい大会だった。２１人のプレーを見て、それぞれ分析したい。Ｗ杯にも誰が行けるのか、考えていきたい」と語った。

　韓国戦での４失点は３８年ぶりという屈辱だが、「より良い結果を残せたのかもしれないので、私も残念。ただ、立ち上がり１０分で、相手がパワーを発揮して、上回っていた。それでも監督のせいで負けたと思うのであれば、そういう記事を書いてください。私はこの大会で２勝を収めた。それは素晴らしいものだったと思う」と述べた。

　これで年内の代表戦は終了。３月の国際Ａマッチデーまでは、視察、分析、ミーティングなどでチームづくりを行う。「私が就任してからもっとも点差が開いた敗戦だったのかもしれないので、残念。しかし、多くのものを考えることができる試合だった。日本サッカーの現状を皆さんと一緒に全員で見ていかないと行けない。Ｗ杯で何が起こるのか、私は知っている。このような教訓を得て前に進まないといけない。これからＷ杯に向けてベストを尽くしていきたい。それでは良いお年を。ありがとう」と会見を結んだ。