2位川崎 5分で3得点して逆転勝ち 小林主将が同点&勝ち越しゴール

 川崎-仙台 後半、同点ゴールを決め喜ぶ川崎・小林(右)=等々力
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 「明治安田生命J1、川崎3-2仙台」(14日、等々力陸上競技場)

 鹿島を追う2位の川崎は、ホームで仙台と対戦して3-2と勝利した。前半42分にMF家長昭博が2枚目のイエローカードをもらって退場処分。さらにその直後に先制点を許すなど、終盤まで2点のリードを許す苦しい展開となったが、後半37分にDFエウシーニョが豪快な左足ミドルを決めると、そこから反撃開始。同39、42分にFW小林悠が連続得点して、逆転勝利した。

 限界を超えて走った。2-2で迎えた後半42分、ゴール前左でボールを受けた小林は、懸命に右足を振り抜いた。放ったシュートは相手に当たるも、小林の意志が乗り移ったように、ゴールへと吸い込まれていった。直前に放った左足ミドルと合わせて、3分間で2得点。「迷わず打ちました。3点目も、相手に当たったけど、打つことに意味があると思って」。勝負を決めた瞬間をそう振り返った小林は、苦笑いしながら、こう言葉を付け加えた。

 「正直、しんどくて(ボールを前に)運べない状況だったんですけど」

 苦しい試合だった。前半42分、MF家長が退場。不可解な判定だったが、試合のほぼ半分を数的不利で戦うことになった。それでも、追いかける展開が続いたことで、前線には小林とMF三好康児を残して、積極的にボールを奪いに行った。小林にとっては、今季44試合目の公式戦。集中力が高まるリーグ終盤戦の試合だが、普段通りのキレがあったとは言い難い動きだった。今季から任されている主将としての重圧も、少なからず影響しているのだろう。小林自身も試合後、「シーズンの疲れが出てきているのかな」と話した。

 それでも、苦しい場面でチームを救う活躍を見せた。そんな主将を、ピッチ上では後方支援するMF中村憲剛は「試合中は(小林のプレーに)大丈夫かなと感じてました。ボールも収まらなくて。でも、FWというのは点を取ってくれれば良いんだと、あらためて思った」と評価した。

 小林自身、シーズンの始めのころは「キャプテンなんだから前線からの守備もやらなきゃ、とか、最もまわりに気を配ってとか、考えていました」と主将としての立ち位置に、戸惑っている時期もあったという。それでも、シーズン途中から「もっとFWらしいキャプテンがいても良いんじゃないか」と考えるようになり、迷いは吹っ切れた。「今では、FWとして点を取り続けることが、キャプテンとしての仕事だと思っている。そこは整理ができています」。

 この日の2得点で、自身のキャリアハイとなるリーグ17得点目。主将として、エースとしてチームを引っ張る小林に対して、中村は「悠はとにかく点を取って、そこにみんながついていくというのが良い形だと思う。もちろん、最初から『点さえ取れば良い』と思っていたら、人はついていかない。悠がキャプテンとして、FWとして、エースとして苦しみながらやっていたのを、みんなが横で見ていたわけだから」と語る。小林独自のキャプテンシーのもと、チームは一丸となり、良いサイクルが生まれている。

 ただ劇的勝利も、置かれている立場の厳しさは変わっていない。首位・鹿島との勝ち点差は依然として5のままで、残り試合は5に減った。それを理解しているからこそ、小林は言う。「反省点の多い試合だった。特に前半の戦い方は見つめ直さないといけない」。頼れる主将として、チームをけん引する30歳は、細部に目を向け、残り全勝に向けて修正を繰り返す。その先に奇跡があると信じて。

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