「明治安田生命Ｊ１、柏１－３Ｇ大阪」（５日、日立柏サッカー場）

　Ｇ大阪は敵地で柏を３－１で下し、今季初勝利を挙げた。ＦＷ長沢駿（２８）が２得点を挙げる活躍。視察に訪れた日本代表バヒド・ハリルホジッチ監督（６４）の前で猛アピールに成功した。

　代表指揮官の脳裏に存在を焼き付けた。長沢は前半７分、ＤＦ藤春の左クロスに頭を合わせ先制点となるリーグ戦初ゴールを奪うと、１－１で迎えた後半１６分にはＤＦ初瀬の右クロスに飛び込み、体を開きながら左足で決勝点を流し込んだ。

　後半２７分のＰＫはアデミウソンに譲ってハットトリックはお預けとなったが、１９２センチの長身ストライカーは今季公式戦５戦４発とゴールを量産。ハリルホジッチ監督の眼前で挙げた２得点はいずれもクロスからと、特長をいかんなく発揮し、代表指揮官も「センタリングのところでパワーを出してくれる面白い存在」と評価した。

　日本代表のＷ杯最終予選予備登録メンバーにも名を連ねる存在で、昨年９月の代表メンバー発表会見ではハリルホジッチ監督が「岡崎、武藤、浅野とは違ったフィジカルを持つ選手」と言及していた。代表入りについて長沢は「入ってから考えたい」と控えめ。３月下旬に再開する最終予選での代表招集は不透明な状況だが、来年のロシアＷ杯まで時間は十分残されている。

　１日のＡＣＬ済州戦では４失点の大敗。「ああいう試合は二度としたくない。戦術やシステムは関係なく、球際などの戦いが一番大事」と原点回帰した。１２日間４連戦の最後に気力を振り絞り“鬼門”日立台で１１年６月以来６年ぶりの勝利。反骨の象徴が長沢だった。