涙の復活星、那須川天心が雪辱祈願「拓真選手が勝つこと願って“てるてる坊主”作る」5・2井上拓真VS井岡一翔へ心境【一問一答】

 「ボクシング・WBC世界バンタム級挑戦者決定戦」(11日、両国国技館)

 同級2位の那須川天心(27)=帝拳=が、同級1位で元世界2階級制覇王者のフアンフランシスコ・エストラダ(35)=メキシコ=を9回TKOで下し、通算8勝(3KO)1敗とした。天心は昨年11月に井上拓真(30)=大橋=との王座決定戦でプロ初黒星を喫してからの再起戦を制し、涙の復活。試合後の会見でも目に涙を浮かべながら、約25分にわたって喜びや心情を吐露した。一問一答は以下の通り。

 -試合を終えて。

 「無事に勝つことができて今はホッとしてます。勝てて、(試合内容は)どんな感じだったっけと。早く見返したい」

 帝拳ジム・浜田剛史代表「本人も(前回負けてから)ずいぶん追い詰められて練習して、やったことが出たんじゃないか。前回の試合が、センスの良さでよける、よけるで、取れなかった。今回は一言で言えば打ち合うと。これが出た。(リスクを)承知の上で打ち合えたのが勝因」

 葛西裕一トレーナー「左ボディーで決めたが、私も練習で何度も倒されそうになった。まだまだ、もっといいものを持ってますから。もっともっと強くなると思います」

 -4回以降、相手も詰めてきた。

 「(4回終了時の途中採点で)二者がドローで、(前回は採点公開後に暗転した)嫌なトラウマを思い返しそうになったが、そこからが勝負だなと。前回経験したことだったので。前回の経験があったからこそ乗り越えられた。まだまだやることはある。試合中に成長できた。10回くらいだったが、あっという間の時間だった。まだまだ強くなれるとわかった」

 -どうやって乗り越えた。

 「ずっと不安もあったし、ずっと自分のことを信じられないこともあったし、日々ずっと大丈夫だと。表裏一体だった。素直に自分で受け止められるようになったのが成長。調子のいい悪い、それすらも自分で対応していこうと思えた。先のことではなく、ずっと今この瞬間を生きてきたのが勝因」

 -5月2日には井上拓真VS井岡一翔のタイトルマッチがある。

 「もうひたすら、拓真選手が勝つことを願って、てるてる坊主を作って毎日祈りたい」

 -相手に効いている感覚。

 「初めての感じだった。勝ったっていうのもそうだし、7ラウンドくらいから完璧に自分のペースになってきた。セコンドは『もっと行け』と言われて、エストラダより怖かったが(笑)。その重圧に打ち勝ちながら。向き合っていても効いているパンチがめちゃくちゃあった。だからこそ、(相手が)出てこない場面もあった。自分で試合をつくれた。結果以上に成長できた試合」

 -相手は脇腹を痛めたと。

 「なんとなく、腹が入ったなと。上も効いていたし、でも(エストラダは)ごまかし方がうまかった。ジャブを使って距離をつくるのはよかった。前回の試合ではできなかったので成長できた」

 -メリハリのあるパンチが目立った。

 「倒れるパンチ、これなら効くんだなというパンチが練習で手応えがたくさんあった。スパーだけでなく、試合でも自信が生まれた。でもこれで満足することは一切ない。新しい那須川天心をまた見せられるかなと」

 -歓声がすごかった。

 「めちゃくちゃうれしかった。見ている人の熱が伝わった。負けてほしくない気持ちをたくさんの人から感じた。いつも以上に集中できたし、いつも以上にみんなと戦っている感じがあった」

 -相手が出てこなかったとき。

 「9ラウンド目くらいで、相手も何も打つ手がなくなっているなと思った。その前のラウンドも、セコンドから『行け』と。自分の中では『おお、マジか』というのもあったが、技術で勝つことができたっていう、運じゃない。やってきたことで勝てた。自信になった。すごくうれしかった」

 -2階級制覇王者の心を折った。

 「高望みをしないというか、KOは次の試合にお預けかなと」

 -踏み込んだり、足を止めての打ち合いなど成長の要因は。

 「いや、これはですね。荒療治ですよ。自分の精神、メンタル、やってきたことを全て崖から落とされた。スパーでもずっと怒られるし、ずっと納得いかないし、ライオンは子供を成長させるときに崖から落とすじゃないですか。今回試合の1週間前くらいに落とされた。今回、ずっと体もメンタルもボロボロの状態。人は狂気にならないといけないときがある。今回は乗り越えられた。きっかけに過ぎない」

 -負けたら引退も。

 「そこは別に考えてなかった。何も考えてなかった。次の日がないと思っていた。次の日ってくるのかなと。これからいろんな予定が立てられると、笑みがこぼれてしまう(笑)」

 -ここまで井上拓真の名前を出してこなかったが。

 「僕は試合に負ける=自分に負けただと思っているので、人の名前とか、他責思考を持ちたくない。全部自分に向き合って、自分に勝つことだけ」

 -レジェンド王者と対戦して。

 「結構いいパンチはもらっていたが、普段なら下がっていた。練習で、ガードを固めていくと。飲み込まれずに、やってきたことを信じて戦えたのが大きい」

 -自分に勝った。

 「この瞬間は、ですけどね。明日からまた日々が始まりますから。来週頭にはラジオもありますし。選手としても人としても強い男になりたい」

 -井上拓真選手へのメッセージは。

 「特に何もないです(笑)。一応、勝ったというご報告だけ」

 -初めて試合前に怖かったと。

 「試合に挑むまで、不安なこととか、葛藤とか。ちょっと怖かった。でも戦っていると、6、7ラウンド目くらいから、自分のやるべきことだけ集中できた」

 -連敗したらという意識は。

 「あまり考えてなかった。最初はちょっと思っていた。負けたらどうしようとか。でもなんだそれと。どれだけピンチでも当てたら勝てるというのを磨いてきた。乗り越えられてここまで来た。自分でも成長できた。人に負けをさらすって怖いじゃないですか。失敗と思わないが、(一般的に)負けは失敗だと思うし。大恥をかくのは怖い。でも挑戦している人は逃げないと思うので」

 -コンテンツや競技普及について。

 「たぶん僕って、選手って見ている人もいるが、一個の生物と見ている人も多いと思う。コイツ何なんだと。そう思われなきゃいけないと思っている。表に立つ選手は。人間らしさというか、思っていること、感情をしっかり世の中に出していくことは大事だと思っている。よく色んなことを言われるけど、信念を持って言うし、常に考えているのは、AIにできないことを僕がやると。(メディアに対しては)僕の国をつくるっていうイメージ。自分のファンも、質のいいというか、見ている人も何が本当でウソか分かっていると思う。SNSってみんな飽きていると思うし、(真贋を)見抜ける人に応援してほしい。あぐらをかいているメディア、選手もそうだし」

 -初めてラウンド間に座っていた。

 「葛西さんに絶対に座れと。怒られた。今後は絶対座る」

 葛西トレーナー「狙いも何も、ボクシングは座るんですよ(笑)。昔は15ラウンド制だったので。言うことを聞いてくれてよかった」

 「(座ることで)同じ景色がずっと見られて集中できた。(座らないのは)癖だった。もうこれからは座る」

 -最後に。

 「勝つことができてホッとしています。これからもボクシングをしっかり盛り上げたい。必ずリベンジします」

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