矢吹正道 異例の2階級同時制覇挑戦 王座保持したままフライ級に殴り込み 亀田氏「IBFルールでは問題ない」

 ボクシング元世界王者の亀田興毅氏(38)がプロモーターを務める「3150×LUSH BOMU」は3日、都内で会見を開き、3月29、30日の次回大会(愛知県国際展示場)で両日ともに世界タイトルマッチを行うと発表した。29日は、IBF世界ライトフライ級王者の矢吹正道(32)=LUSH緑=がベルトを保持したまま、IBF世界フライ級王者アンヘル・アヤラ(メキシコ)に挑戦。日本選手初となる2階級同時制覇を目指す。30日は、前WBC世界ミニマム級王者の重岡優大(27)=ワタナベ=が、現同王者のメルビン・ジェルサエム(フィリピン)に挑戦する。

 矢吹は異例の2階級同時制覇に挑む。昨年10月にIBF世界ライトフライ級王座を獲得したばかりだが、減量にも苦しんでおり、初防衛の前にフライ級での世界挑戦が電撃決定した。もともと王座統一戦も含めて強敵を求めていただけに「フライ級はすごく熱いので自分も食い込みたい。王者同士で戦えることにモチベーションがある。フライ級で王者になりたい」と発奮。相手は18勝無敗で24歳と若いメキシカンとあって激闘も想定されるが、「アグレッシブな選手なのでKO決着になると思う。いい試合をしたい」と拳をさすった。

 ベルトを保持したまま他階級の世界王座を戴冠した日本選手はこれまでいない。プロモーターの亀田氏は「IBFのルールでは問題ない。万が一(敗れた場合)でも(ライトフライ級の)タイトルは保持される」と説明。ただ、矢吹は「負けて保持しようなんて思ってない。全てを懸けてやる」と“退路”を断つ構えを示した。

 フライ級では現在、WBC王者の寺地拳四朗、WBA王者のユーリ阿久井政悟が来月13日に統一戦を控えるなど日本勢が活況だが、殴り込みをかける。亀田氏は「(今回)矢吹選手が勝てばまたボクシング界全体が盛り上がる。フライ級でどこまで力が発揮できるか未知数だが、楽しみな一戦」と期待。好機を得た32歳は「自分が王者になったらフライ級は面白くなる。まずはしっかり勝って次を考えたい」と青写真を描いた。

 ◆矢吹 正道(やぶき・まさみち)本名・佐藤正道。1992年7月9日、三重県鈴鹿市出身。16年3月プロデビュー、20年7月に日本ライトフライ級王座決定戦を制して初タイトルを獲得。21年9月にWBC世界ライトフライ級王者の寺地拳四朗に10回TKO勝ちし、初の世界王座を奪取した。翌年3月、寺地との再戦で3回KO負けを喫し陥落。24年10月、IBF世界ライトフライ級王座を獲得した。右ボクサーファイター。166センチ。

関連ニュース

編集者のオススメ記事

ファイト最新ニュース

もっとみる

    主要ニュース

    ランキング(ファイト)

    話題の写真ランキング

    写真

    リアルタイムランキング

    注目トピックス