ともに今春引退 里村明衣子VS高橋奈七永が激闘ドローで涙の共鳴「苦しい時代共に」「今の甘ったれた奴に物申す」次はタッグも?

 「プロレス・ジャイアント馬場没25年追善大会」(31日、後楽園ホール)

 大会唯一の女子試合で、センダイガールズの里村明衣子(45)と、マリーゴールドの高橋奈七永(46)がシングルマッチ15分一本勝負を行った。ともに90年代にデビューし、今春引退を表明している女子プロレス界の“生き字引”同士の一騎討ちはバチバチの激闘となり、15分では到底決着がつかず時間切れドロー決着となった。

 序盤のロックアップ、力比べから高い緊張感に包まれた一戦。里村が多彩なキックで優位に立つ場面もあったが、奈七永も高角度のバックドロップなどで追い込んだ。残り時間1分を切っても一歩も譲らない攻防で会場がヒートアップする中、最後は里村がデスバレーボムを放ち、フォール体勢に入ったところで時間切れのゴング。大きな拍手に包まれる中、試合後はともに目に涙を浮かべながら抱き合い、同時代を並走してきた互いの存在に感謝を込めた。

 奈七永は1996年に全日本女子プロレスでデビューし、2005年の解散まで在籍。SUN、アイスリボン、スターダム等を経て現在はマリーゴールドに所属し、今年5月に引退する。「馬場さんの命日で、選手全員で黙祷する時点で身が引き締まる思いだった。こんな大切な日に、大事な大事な対戦相手の里村明衣子選手と対戦できたことに感謝」とかみしめ、「(里村との絡みを)最後にしたくない!」と訴えた。

 一方、里村は長与千種が旗揚げしたガイア・ジャパンで1995年にデビュー。2005年に同団体が解散後、センダイガールズのエースとして引っ張ってきたが、今年4月で引退する。「高橋奈七永という存在はすごく貴重だったんだなと思う。(キャリアの)最後に全日本プロレスの大先輩たちの中で試合を見ていただいて、本当に私の中ではやり切った感がある」と感慨深げ。団体は違えど、同時代を生きてきた奈七永について「苦しい時代を共にしてきた。(今と)全然環境が違いますよね。団体は違うけど、それぞれ苦しかった。全女とガイア・ジャパンが(同時期に)無くなった時にずっと続けてきた2人で、(前の時代から)継承するものもあるし、要らないものは省くってことをずっとやり続けてきた人間なので、やっぱ(お互いの境遇は)わかりますよ。良い時代も悪い時代もあったが、それが自分たちの強さになっている」と“戦友”として相通ずるものを明かした。

 里村のインタビュー中に入ってきた奈七永は「次は隣に立っているんじゃないかなって思っちゃいました」と、次はタッグ結成をアピール。互いに引退まで時間が限られるものの、里村も「できる限りやりましょうよ」と呼応し、「今のさ、新時代の甘ったれている奴らにさ、何かもの申すことがあるよね。それをリング上で出していこうよ。相手は厳選してください」と、泥水をすすってきた2人だからこその次世代継承マッチをぶち上げた。

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