「山根体制」不正疑惑の経緯「日本のボクシングを再興する会」の告発状で問題が公に
アマチュアボクシングを統括する日本ボクシング連盟は、今夏で内田貞信会長(49)が2期目を終える。同連盟は2018年に助成金の不正流用などが指摘された山根明前会長(82)が辞任し、内田会長が後を継いで就任した。
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18年4月に都道府県連盟幹部ら有志による「日本のボクシングを再興する会」が発足。同7月にJOC(日本オリンピック委員会)や文科省などに、山根体制におけるずさんな財務体制、公式戦での不正判定を強要された審判員の証言などが含まれた告発状を送付し、問題が公になった。
財務管理では「オリンピック基金」の不透明使用、選手への助成金の不正流用、試合用グローブの独占販売などが指摘された。また、山根氏への接待として「カンロあめ」などの好物、スイートルーム使用など慣例化された「おもてなしリスト」も明らかになった。
山根氏は一部を除いて不正疑惑を否定。一方で、反社会的勢力との過去の交際を認めた。さまざまな問題の発覚で、国体では24年から4年間、隔年開催に降格された(28年から毎年開催に復帰)。
山根会長は18年8月に会長辞任を表明。同9月に内田新会長の下で同連盟は再出発し、山根氏と2人の元常任理事の「除名」が決議された。