谷口将隆 つかんだ悲願の世界王者 メンデスを11回TKO「夢心地です」
「ボクシング・WBO世界ミニマム級タイトルマッチ」(14日、両国国技館)
WBO世界ミニマム級タイトルマッチは同級1位の谷口将隆(27)=ワタナベ=が王者ウィルフレド・メンデス(25)=プエルトリコ=を11回TKOで破り、新王者となった。
迷うことなく連打を繰り出した。11回、左クロスを決めた谷口が猛然とラッシュ。防戦一方の王者をレフェリーが救った。「夢心地です。ようやく自分に自信を持てました」。神戸出身では元WBA世界スーパーバンタム級王者の佐藤修氏以来、2人目の世界王者が誕生した。
2回に左クロスで先制のダウンを奪い、6回にはメンデスがホールディングで減点。ポイントは有利だったが、最後は倒しにいった。「今日は挑戦者らしく戦うと決めていた」。守りに入る過去の自分とも決別した。
挫折を重ねる中で励みとなったのは盟友の存在だった。同学年のWBA世界ライトフライ級スーパー王者の京口紘人(28)とは、アマチュア時代のライバルでワタナベジムには同期入門。京口は8戦目で世界を獲得して2階級を制覇する。
一方の谷口は日本、東洋太平洋王座挑戦にも失敗。「本当に世界王者になれるのか」。自分に疑問を抱いた時期もあった。それでも京口の「今でもライバル」との言葉が支えとなった。
京口はこの日もセコンドに入り、谷口をサポート。「とにかくKO奪取したのが格好良かった」と笑顔で新王者をたたえた。16年のプロデビュー時「世界王者になろう」と誓い合った二人の思いは、6年目にしてついに実現した。