「ボクシング・６回戦」（１６日、メルパルク大阪）

　５年４カ月ぶりに現役復帰するボクシング元ＷＢＡ世界ミニマム級王者・宮崎亮（３３）＝３１５０＝が８日、大阪市西成区の所属ジムで練習を公開した。５１・５キロ契約６回戦・寺次孝有希（３０）＝ミサイル工藤＝戦に向け、「ＫＯは狙っていきますよ」と宣言した。

　この日はプロテストに合格したばかりの同門の双子ボクサーである田尻雄司・浩司を相手に６ラウンドの軽めのスパーリングを公開。宮崎は攻撃は控え、防御の確認に徹した。

　１６年８月に２階級制覇を狙ってＷＢＡ世界ライトフライ級王者・田口良一（ワタナベ）に挑戦して敗れ、１７年８月に引退届を提出。今回、５年４カ月ぶりに復帰する。

　１７年９月には免許停止中に乗用車を運転し、公務執行妨害の疑いで逮捕され、１８年５月に懲役１年、執行猶予３年の判決を受けた。執行猶予が終了したことでＪＢＣライセンス発行の再審査が認められた。今年３月に亀田興毅会長（３５）が大阪市西成区に設立した「３１５０ファイトクラブ」で選手兼トレーナーとなり、再び世界を目指す。

　３０歳の時に結婚した末衣夫人（３３）は第３子を妊娠中で、試合直前の１２日が予定日。早く生んで試合を観戦したいと言ってきたが、無理はさせたくないので「来なくていい」と伝えた。危なげない勝利で安心させるつもりだ。

　興毅会長からはＫＯ勝ちすればＫＯ賞として２０万円のボーナスが出ることが約束されているという。「出産祝いですね」と笑顔を見せた。

　かつては体重調整に苦しんだ。今回も計量まで１週間となり５キロオーバーと不安を感じさせるが、「水分を抜いていないので問題ない。３日あれば落とせる」と余裕を漂わせる。水分を取りながら体重を落とす「ウオーターローディング」という新たな減量法を導入。試合を万全に迎えることに自信を示した。