「ボクシング・ＷＢＡ・ＩＢＦ統一バンタム級タイトルマッチ」（１９日、ラスベガス）

　統一王者の井上尚弥（２８）＝大橋＝が、挑戦者のＩＢＦ同級１位マイケル・ダスマリナス（２８）＝フィリピン＝に、左ボディーで３度のダウンを奪う３回ＫＯで圧勝し、ＷＢＡ５度目、ＩＢＦ３度目の防衛に成功。自身の持つ世界戦連続勝利の日本記録を１６に伸ばした。４団体統一を目指す尚弥は、８月１４日（日本時間１５日）に王座統一戦を行うことが発表されたＷＢＣ同級王者ノニト・ドネア（３８）＝フィリピン＝とＷＢＯ同級王者ジョンリール・カシメロ（３２）＝フィリピン＝の勝者との対戦を熱望した。

　モンスターを初めて目の当たりにした本場ラスベガスのファンに圧勝劇を見せつけた。指名挑戦者ダスマリナスは１７０センチの長身。尚弥にとって約３年ぶりのサウスポー相手だったが、まったく苦にしなかった。

　初回は様子を見合う中、足を使うダスマリナスが放った右ジャブに左フックを合わせて出ばなをくじく。２回に入ると圧力を強め、終盤に右アッパーからの左ボディーでもん絶させ、連打の追い打ちでダウンを奪った。

　そして３回。腰が引けたダスマリナスに攻勢を仕掛け、連打からの左ボディーで２度目のダウンを奪う。何とか立ち上がった相手に即座に襲いかかり、またも左ボディーを突き刺して３度目のダウンを奪ってフィニッシュ。試合後のインタビューでは「ボディーでも顔でもどちらでも倒せる準備はしてきた。１ラウンド、相手の実力、出方を見て、早い回でいけるのかなと確信は持てた」と振り返った。

　前戦では衝撃的な７回ＫＯ勝ちで本場デビューを果たしたものの、無観客で歓声を浴びることはなかった。今回は有観客でドネアとカシメロも観戦する中でモンスターぶりをアピールした。本場の期待に応え、日本で試合を中継したＷＯＷＯＷのインタビューでは「これぐらいの試合をしないと、ドネアとカシメロも見に来ているのでアピールできなかった」と安ど。「やっぱり熱いなという、応援の仕方もお祭り騒ぎだなという感覚はありました」と有観客の盛り上がりを実感した。

　そして、この日、カシメロが８月にＷＢＡ同級正規王者ギジェルモ・リゴンドー（キューバ）と対戦する予定が変更され、カシメロとドネアが８月１４日（日本時間１５日）に王座統一戦を行うことが決定。尚弥は、現地のインタビューでその勝者と対戦したいかと問われると「もちろん」と即答し、「よりドラマチックなのはドネア」と、１９年１１月に激闘の末に破った相手との対戦を希望した。

　だが、その勝者にはリゴンドーが対戦する可能性もあると米国では報じられている。それでも、尚弥は自信のツイッターで「ドネアＶＳカシメロの勝者と４団体統一戦を希望希望希望！！！」と熱く訴えた。