日本ウエルター級王者の小原、小差V1も「地元判定だ」の怒号…「日本から飛び出せていない」
「ボクシング・10回戦」(8日、後楽園ホール)
日本ウエルター級王者の小原佳太(34)=三迫=が挑戦者で同級4位の坂井祥紀(30)=横浜光=を3者とも2点差の小差判定で破って初防衛に成功した。
メキシコでデビューし、海外で36戦を経験した逆輸入ボクサー坂井の高いガードとカウンターに苦しんだものの、右のボディーストレートを中心に反撃。8回からは一進一退の激しい打ち合いとなったものの、手数で上回った。
際どい判定に、客席から「地元判定だ」との怒号も飛び、「地元判定の言葉があったように、正直、勝って安心しています」と受け止めた小原。19年3月に米国フィラデルフィアでのIBF世界同級挑戦者決定戦で判定で敗れたことを思い出し、「ボクが負けるパターンの見栄えが悪い。2年前から変わっていない。成長していないと思っています。ボディーからつなげられればよかったんですけど、相手が思ったより距離調整がうまくて、つながらなかった」と反省した。
世界挑戦経験もあり、海外進出を目標とする国内同級の第一人者。面目を保ったものの、今後については「際どい、負けたかもしれない試合で勝っただけ。まだ日本から飛び出せていない。坂井選手とどちらが世界へ飛び出すべきかは、ボクだとはなかなか言えない」と景気のいい言葉は出なかった。