新日本・エンパイア新兵器はヘナーレ!格上SANADA撃破、興奮して観客と口論も
「プロレス・新日本」(4日、両国国技館)
“ユナイテッド・エンパイア”のグレート‐O‐カーンが予告していた新兵器Xはトーア・ヘナーレ改めアーロン・ヘナーレだった。
この日はオーカーン、ジェフ・コブとのトリオにXとして名を連ねていたヘナーレ。先に入場したオーカーンに正体を明かされて呼び出されると、以前の正統派のいでたちとは打って変わった、黒を基調とした装束に鋭い目つきをサングラスで隠した強面の姿で現れた。
相手はロス・インゴベルナブレス・デ・ハポンの内藤哲也、SANADA、鷹木信悟組。ヘナーレはファイトスタイルも以前の突貫ファイトとは違って、鋭いミドルキックやチョップを多用する打撃に変わり、勢いよく攻め込んでいった。
さらにはSANADAに旋回式の開脚パワーボムなどの新技も見舞うなど大暴れ。最後は6人が入り乱れる中、コブのツアー・オブ・ジ・アイランドのアシストを受けて、またも新技の変型デスバレーボムStreets of Rainで格上のSANADAから3カウントを奪った。
そして、試合後もヘナーレはSANADAへの暴行を継続し、制止に入った鷹木も排除。コブと2人で内藤を捕獲すると、オーカーンが内藤の痛めている右ヒザをイスでめった打ちにし、頭を踏みつけて靴をナメさせるようにして勝ち誇った。さらに、興奮の収まらないヘナーレは花道を引き上げる途中に観客と口論を繰り広げる一幕も見せた。
ヘナーレは「5年間、本隊でやって来たがファンのお前たちはオレがどれだけの努力を重ねてきたか想像もできないだろう。棚橋(弘至)も真壁(刀義)も誰も攻めるつもりはないが…、いや、もしかしたら、あいつらの後ろに隠れていなければ…、いや、攻めるべきは自分だ。ずっと自分で自分を押さえつけていた。本当の自分を見せられずにいた。自分を偽ってまで他人が望む自分を演じる必要はない。今日は拍手が聞こえたけど、2週間前のオレは拍手なんてもらえなかった」と、抑圧から自身を解き放った心境を告白。
続けて「オレの人生で戦いより大事なものはない。本当のオレはこんなもんじゃない。オレはもっと危険だ。やっと自分の進むべき道が分かった。その道は血と金と栄光で覆われている。それがユナイテッド・エンパイアだ」と主張した。
一方、オーカーンにいたぶられた内藤は「オレを心の底から挫折させてくれよ。シングルマッチでね。自信あるんでしょ。オレとプロレスするのが楽しいんだろう。自信があるならまたオレと遊んでくれよ」と、一騎打ちで決着をつけることを呼び掛けた。