京口がV3 石頭?で挑戦者負傷、右フック追撃でTKO勝ち 闘病の父にエール送る
「ボクシング・WBA世界ライトフライ級タイトルマッチ」(13日、ダラス)
米国デビュー戦のスーパー王者の京口紘人(27)=ワタナベ=が挑戦者のアクセル・アラゴン・ベガ(20)=メキシコ=を5回TKOで破り、3度目の防衛に成功した。力強く前に出る挑戦者の圧力に手を焼いたが、5回に挑戦者が右拳を痛めて戦意喪失状態となったところに右フックをたたき込むとレフェリーが試合をストップ。今後は団体王座統一戦に意欲を示した。
新大陸で再出発の第一歩を踏み出した。5回、京口の左側頭部に右フックを放ったベガが右拳を負傷。たまらず背中を向けた相手を京口が追撃し、レフェリーが試合を止めた。
身長146センチの小兵を迎え撃った。初回は力強い前進をジャブで止めた。2回は接近戦で圧力に後退する場面が目立ったものの、3回から冷静に対応。ジャブで突き放しては相手が詰める展開が続いた。
試合後、京口は「ホッとしたのと、欲を言えば倒したかった。でも勝ててよかった」と安ど。初の本場での戦いを「アウェーな感じはありましたね。僕のボクシングが面白いと思ってもらえたかなと」と振り返った。
前戦からの1年5カ月はコロナ禍にほんろうされた。V3戦は20年5月が緊急事態宣言で中止。同11月は自身のPCR検査陽性判定で試合前日に中止となった。隔離中には引退を考えたが、ファンの熱い声に支えられて現役を続行。白星で応えた。そして、この日はツイッターに「明日は闘病中の父ががんと闘う日。絶対に勝ってください。神様どうか力を与えてください」と記した。
京口によると、20年12月に契約した英大手プロモーター、マッチルーム社のエディー・ハーン社長は複数階級制覇をプロモートする意向を現地メディアに語っているという。だが、自身は「ベストな階級で長くチャンピオンでいたい」と団体王座統一戦に意欲を示し、「いずれは階級を上げていきたい」と付け加えた。