井上尚弥3年連続MVP!井岡一翔と4票差「どっちにいってもおかしくないと思った」

 ボクシングの年間表彰選手が28日、発表され、男子最優秀選手賞(MVP)はWBA・IBF統一バンタム級王者の井上尚弥(27)=大橋=が3年連続4度目の受賞となった。尚弥はKO賞も2年ぶり5度目の受賞。世界戦での年間最高試合は20年12月31日に東京・大田区総合体育館で行われたWBA世界スーパーフライ級タイトルマッチの井岡一翔(31)=Ambition-田中恒成(25)=畑中=戦が選ばれた。今年の表彰式は新型コロナウイルス感染拡大の影響により開催しない。

 モンスターが貫禄の3年連続MVPだ。未曽有のコロナ禍にボクシング界も一時期は試合の自粛を余儀なくされるなど、大きな影響を受けた2020年。尚弥もWBC同級王者ジョンリール・カシメロ(フィリピン)との3団体王座統一戦が流れ、同年10月30日に米国・ラスベガスでジェーソン・モロニー(オーストラリア)と2度目の防衛戦を行っただけだったが、米国本格デビューの一戦で、固いガードの相手を見事なカウンターの右ストレートでKOする強烈なインパクトを与えたことが評価された。

 オンラインで報道陣の取材に応じた尚弥は「ラスベガスという舞台でのメインが評価されたのかなと思いますし、自分も納得する内容での勝ち方もできたので、そこはすごくうれしく思います」と、新たな勲章を手にした喜びを実感。KO賞とのダブル受賞に「あれだけディフェンシブな選手にあの勝ち方ができたというのは自分の中でも自信が付きましたし、見ているファンの方もすごく満足する内容だったと思います」と満足顔だった。

 MVPは有効投票数が36で、尚弥が20票、次点の井岡が16票と、わずか4票差だった。井岡は田中を左フックで2度のダウンを奪う8回TKOの完勝で相手の4階級制覇を阻んで年間最高試合を受賞。尚弥も「すばらしい試合だった」と絶賛するほどで、「井岡選手に票が行っても全然おかしくないという思いでした。どっちに行ってもおかしくないなとは思っていました。井岡選手は年末で(記憶に新しいので)、結構(票が)傾くんじゃないかなと」と胸の内を明かした。

 もはや日本ボクシング界を代表する存在であることは疑いようがないと言える。尚弥も「今年28(歳)になる年でボクシング界を引っ張っている存在というのは自覚しています」といい、「周囲の反響だったり評価だったり、試合を重ねていく中で実感はしていっているので、ボクシング界だけに限らず、日本のスポーツ界でトップの存在にいけるようにしたいですね」と、ボクシングの枠を越えたスターになることを目指す。

 通算4回目のMVPは白井義男と具志堅用高の5回(ともに5年連続)に続き、渡辺二郎、長谷川穂積と並ぶ歴代3位タイ。あと8年で現役引退の青写真を描いている尚弥は「プロ8年で4回、自分が考える現役はあと8年なので、そこに向けても、それ以上受賞できたらいい」と最多記録更新にも意欲を示した。

 そして、コロナ禍で見通しが立たない中で迎えた2021年の目標は「今年こそはもう一つベルトを増やしたい」。次戦は未定だが、IBF同級1位マイケル・ダスマリナス(フィリピン)との指名試合になるとの海外での報道もある。尚弥は「まだしっかりとは話は聞けていないので、時期は大体の目安は聞いてますけど」と話すが、すでに今月からスパーリングも始めており、「試合がいつ決まってもいいように準備はしています」と臨戦態勢だ。今年もモンスターから目が離せない。

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