前WBOAP王者ストロング小林佑樹が現役引退を表明「悔いはありません」

 マニー・パッキャオのアンダーカードで勝利したストロング小林佑樹=18年7月15日、アシアタ・アリーナ
 比嘉戦でコールを受けるストロング小林佑樹=20年12月31日、大田区総合体育館
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 ボクシング前WBOアジア・パシフィック・バンタム級王者のストロング小林佑樹(29)=六島=が19日、現役引退の意向を明らかにした。小林は昨年大みそかに大田区総合体育館で2度目の防衛戦に臨み、元WBC世界フライ級王者の比嘉大吾(Ambition)に5回KOで敗れ、王座から陥落した。

 小林は「負けたことは悔しいですが、自分に妥協することなく練習はすべてやりきった。比嘉選手が強かった。悔いはありません」と引退を表明した。

 小林は地元の八尾ジムから11年12月にプロデビュー。出げいこ先の六島ジムでのスパーリングで倒され、「こういう環境でないと強くなれない」と14年1月に移籍。移籍初戦で日本ランカーに勝ち、六島ジムでは一人前の証しともいえるリングネームを与えられた。通算戦績25戦16勝(9KO)9敗。打たれても前進を止めない不屈のスタイルでWBOアジア・パシフィック王座に就いた。

 最も印象に残る試合には「やっぱりマレーシアの試合ですね。タイトルを獲った試合もうれしかったけれど、ホッとしたという気持ちの方が大きかった。一番はマレーシアの試合」と18年7月のクアラルンプール遠征を挙げた。世界6階級王者マニー・パッキャオ(フィリピン)がメインを張る豪華イベントのアンダーカードで新鋭ビンセント・アストロラビオ(フィリピン)に4回TKO勝ち。圧倒的不利の予想を覆して海外初勝利を飾ると、ここから上昇気流に乗る。

 19年5月にはベン・マナンクィル(フィリピン)に10回TKO勝ちでWBOアジア・パシフィック王座を奪取。4度目のタイトル挑戦でついにベルトを巻いた。「六島ジムには感謝しかない。4度もチャンスを作ってくれて、海外遠征も経験させてもらった。タイトルを獲るなどデビュー当時は考えられなかった」と周囲の応援と支援の大きさを強調した。

 今後は就職活動を行う予定。キャリア前半に何度も敗戦を経験しながらもベルトを獲得した歩みは多くのボクサーの励みとなる。「大切なのは自分に厳しく練習すること。トレーナーを信じて、しっかりやりきったという自負があれば、リングに立っても怖いものはない」。リングネームの通り、モットーは「Be Strong!!」。第二の人生も強く突き進む。

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