“キング”復活!比嘉が初回から全開KO勝ち「新たなスタート」世界王者で恩返し誓う

 5回、ストロング小林佑樹(右)にKO勝ちした比嘉大吾(撮影・西岡正)
 ベルトを肩にかけ、ガッツポーズする比嘉大吾
 2回、小林(左)に右アッパーを浴びせる比嘉大吾
3枚

 「ボクシング・WBOアジア・パシフィック・バンタム級タイトルマッチ」(31日、大田区総合体育館)

 “KOキング”の復活戴冠だ。5回、比嘉大吾は手数を増やした小林のアゴに右アッパー2連発をヒット。「接近戦が多くなると思っていた。その位置に入ったら体に任せようかなという感じ」。相手は前のめりに倒れ、10カウントが告げられると、コーナーを駆け上がってほえた。

 消極的な戦いで引き分けた前戦から一変した猛攻だった。タフさに定評のある王者の小林に対して、初回からエンジン全開で鋭く力強いパンチを放った。

 ガードを固めて前に出る相手を攻めあぐんだが、隙間を通すアッパーで切り崩した。「前回は(相手を)見ている試合になってしまったので、1ラウンドから攻めようと思った。いい形で倒せてよかった」と充実感をにじませた。

 20年はコロナ禍で3試合をこなした。野木トレーナーが位置づけた、21年中の世界獲りへの「査定試合」を突破し、体重超過で世界王座を剥奪されて以来、2年8カ月ぶりのベルトを獲得した。「バンタム級は強い人たちがいっぱいいる。チャンピオンになったんですけど、新たなスタートができるよう、トレーナーとスタッフと頑張っていきたい」

 そう気持ちを引き締めると「3試合もしている。そんな環境をいただいて感謝しかない。恩返しできるよう世界チャンピオンになるので応援よろしくお願いします」と誓った。

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