森武蔵 溜田TKOでWBO・APフェザー級V3!「来年は世界の舞台で戦いたい」

 「ボクシング・WBOアジアパシフィック・フェザー級タイトルマッチ」(28日、後楽園ホール)

 王者の森武蔵(21)=薬師寺=が挑戦者で同級6位の溜田剛士(27)=大橋=を11回1分39秒TKOで破り、3度目の防衛に成功した。

 序盤に足を使っていく作戦を立てていたが、溜田が開始のゴングと同時に右フックを強振してきたため、「むきになってしまった。なんだこら、と思って」と、打ち合いに付き合ってしまった森。4回までは溜田の強いプレッシャーに押される展開となった。

 だが、「映像とか見て、あれだけ打ってくるので12ラウンドは戦えないと思っていた」との予想通り、5回以降は溜田の動きが落ち、足を使って流れを引き寄せる。7回にはパンチを浴びせ続けるなど一方的な展開となり、11回に相手の右目付近から出血させ、さらにコーナーに追い込んで連打を浴びせたところでストップを呼んだ。

 3年ぶりの“聖地”後楽園ホールで熱戦を制した森。現在は世界ランクもWBO4位まで上げて世界王座も射程圏内に入っており、試合後はリング上で「防衛も3回したので、(新型)コロナウイルス(感染拡大)がどこまで影響してくるか分からないですけど、来年、近いうちに世界の舞台で戦いたい」と熱望した。

 当初は4月に地元の熊本県で予定されていた試合に備え、2月から米ラスベガスで合宿を行い、キューバ出身の名伯楽イスマエル・サラス氏の指導を受けた。そのサラス氏とは連絡を取り合っており、この試合の前日計量をパスしたことを報告すると、「ワンツーだったり、リングの真ん中で主導権握って戦えとか、コンビネーションいっぱいだして行けとか、自分を信じてやれば勝てる」などの長文のアドバイスが帰ってきたという。

 同じくサラス氏に師事するWBO世界スーパーフライ級王者の井岡一翔(Ambition)にあこがれており、「1発で倒すというより、井岡一翔さんの組み立てて組み立ててと言うのが、ボクの中で今一番足りないところなので意識していた。組み立てるどころか向こうのペースでやっていたので、そこができるようになればもっと上に行けるのかな」と手本にしている。合宿では井岡と一緒になり、「12ラウンドの戦い方の知恵とか、気持ちの持ちようとかも教えてもらって、すごくいい経験ができた」と収穫を得た。

 昨年は森が12月8日に勝利し、大みそかの井岡の勝利につなげた。今年も大みそかにWBO世界スーパーフライ級1位の田中恒成(畑中)との防衛戦を控えいる井岡からは、この試合の前にも「しっかり組み立てて、自分のボクシングして勝てよ。またつなげてくれよ」とメッセージをもらっており、「しっかりつなげられてよかったです」と満足げに語った。

 夢は本場での世界戦。「行けるのであればラスベガスへ行って練習を積んで、ラスベガスのリングに上がりたい。どっちみち、世界戦だと向こうなので」と目を輝かせた。

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