新日本・EVIL2冠奪取に大声自粛の観衆「帰れ!」次期挑戦者はヒロムに

 内藤哲也(下)を破り、ベルトを掲げるEVIL(右はディック東郷)
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 「プロレス・新日本」(12日、大阪城ホール)

 EVIL(年齢非公表)がIWGPヘビー級・同インターコンチネンタル2冠王者の内藤哲也(38)を破り、史上2人目の2冠王者となった。

 前日のニュージャパンカップ決勝戦のオカダ・カズチカ戦ではバレットクラブ(BC)の介入を受け、反則攻撃も交えて初優勝したEVIL。さらに、試合後には所属ユニットのロス・インゴベルナブレス・デ・ハポン(LIJ)を率いる内藤を裏切ってBC入りし、新型コロナウイルス感染拡大防止のために大声の自粛を求められていた観衆から思わずブーイングを送られるほどの憎悪を買った。

 この日の元盟友となった内藤との決戦では、入場曲を変え、顔面にペイントを施さず、束ねていた長髪もほどいて登場。序盤は怒りをぶつけるかのごとく積極的に攻め込んだ内藤に押されたが、古傷を抱える内藤の左ヒザをエプロンサイドから机にたたき落とすなどの集中攻撃を加えて優位に試合を進めた。

 だが、意地を見せる内藤も猛反撃。雪崩式フランケンシュタイナー、コリエンド式デスティーノをたたみ掛け、正調デスティーノでフィニッシュしようとしたが、膝の痛みのためにバランスを崩し、そのスキにEVILは内藤をぶつけてレフェリーを失神に追い込む。

 すると、またもBCの邪道と石森太二が介入するが、内藤は盟友でIWGPジュニアヘビー級王者の高橋ヒロムが助太刀に入って救われる。さらにはLIJのBUSHIのマスクをつけた謎の男も現れ、ワイヤーらしきものを使って内藤を攻撃。最後はレフェリーの死角を突いての急所蹴りからEVILでマットにたたきつけ、38分超の乱戦を制した。

 試合後はブーイングだけでなく、「帰れ」などの罵声も飛ぶ中でマイクを握ったEVILは、「覇者で王者の3冠王だ」と勝ち誇り、謎の男がディック東郷であると明かして2人で内藤に暴行。そこに再びヒロムが現れて内藤を救出し、EVILに「人を裏切るってどう言う気持ち?教えろよ」と詰め寄りながら2冠王座に挑戦を要求した。しかし、EVILは不気味は笑みを浮かべながら一度はマイクを握ったが、無言で立ち去った。

 だが、EVILはインタビューブースで「今日、誰が最強か分かったろ。EVILが新日本の最強だ。覚えとけ」とアピールし、「それからよ、ヒロム、このオレ様のベルトに挑戦したいのか。いいぜ。いつでもやってやる。お前のことつぶしてやるよ」と、挑戦要求を受諾した。

 一方、ヒロムは「アーッ」なとど大声を上げながら現れると、「オレがロス・インゴベルナブレス・デ・ハポンに入った理由は、何度も言ったが内藤哲也、EVILとやることだ。人生って何があるか分かんないから面白いよね」と話し、「覚悟しとけ、EVIL、オレは本気だぞ。IWGPヘビー、IWGPインターコンチネンタル、オレがもらう。その対戦相手が貴様と言うことを、オレは素直に喜ぶことにするよ」と3冠奪取に気持ちを高ぶらせた。

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