尾川堅一がドーピング処分明け涙の復活星「今年は勝負をかけたい」

 「ボクシング・10回戦」(2日、後楽園ホール)

 ドーピング違反によるライセンス停止処分が解除された前日本スーパーフェザー級王者の尾川堅一(31)=帝拳=が、約1年2カ月ぶりの復帰戦でフィリピン・ライト級王者ロルダン・アルデア(24)=フィリピン=を3-0の判定で破った。

 「緊張で押しつぶされそうになるぐらい緊張した」と話しながらも、初回から持ち味の強烈な右ストレートを何度もたたきこんだ尾川。ひるまず前に出る相手からダウンを奪えず、偶然のバッティングで右目上から出血するアクシデントにも見舞われたが、危なげない戦いぶりで最大7点の大差をつけた。

 17年12月に米国でIBF世界スーパーフェザー級王座決定戦で勝利したものの、ドーピング違反により試合は無効となり、1年間のライセンス停止処分を受けた。一時はボクシングをやめることに気持ちが大きく傾いたものの、この日は会場で応援した夫人と3人の息子、そしてジムメート、トレーナーらの支えを受けて復帰。リング上でのインタビューでは、「たくさんのお客さんが応援してくれて、感謝の気持ちでいっぱいです」とあふれる涙をぬぐった。

 「空回りしてる部分もあったんですけど、最低限勝つことが出来なので、次につながると信じて、次の接点に臨めるよう頑張ります」とKOできなかったことを反省。「10ラウンド判定なので大きなことは言えない。でも、昨日31歳になって、時間もあまり残されていない。今年は本当に勝負をかけたいと思っているので、熱い声援よろしくお願いします」とファンに誓った。

 控室では「パンチがあるパンチは打っていたんですけど、これが1年2カ月ぶりなのか、感覚のズレなのかは分からないですけど、10ラウンド戦って一気に戻る感じもあった。練習で動きも戻って、自信あったんですけど、やっぱり練習と試合は違う」と試合を振り返った。帝拳ジムの浜田剛史代表は「大きなハードルをクリアした」と及第点。今後については「ケガ(右目上の出血)の様子を見てから」と話した。

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