【長谷川穂積の拳心論】一翔に超えられない階級の壁

 「ボクシング・WBO世界スーパーフライ級王座決定戦」(31日、マカオ)

 同級3位の井岡一翔(29)は同級1位のドニー・ニエテス(36)=フィリピン=に1-2の判定で敗れ、日本男子初の世界4階級制覇はならなかった。

  ◇  ◇

 井岡選手はいい試合で、いいパフォーマンスだった。これまでやってきたことをすべて出した上で、そこには超えられない階級の壁があった。ニエテスは体がやわらかくうまかったということもあるが、これまでの相手のようにコンビネーションにひるんだり倒れたりせず、ボディーでも倒れなかった。

 僕自身がバンタムからフェザーに上げた時に同じことを感じた。これまでと同じ打ち方でヒットしても倒れないし、相手のプレスも強く感じた。今回の井岡選手の体はしっかり絞った上でもまだ脂肪が残っていたが、僕も絞りきれない感じがあった。階級の壁を越えるには、そこで長く試合をする必要がある。

 かつてメイウェザーは階級を上げる途中で足を使って負けないスタイルへと変貌した。しかし、ガードを固めてボディーで倒しにいく井岡選手は、戦い方を大きく変えにくい。4階級制覇というのはそれだけ難しい。この階級ですぐに王座を狙うなら相性のよい相手に照準を絞る必要があるが、僕は1つ下の元のフライ級で王座奪回を狙う方がいいのではないかと思う。(元世界3階級制覇王者)

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