大学院生・坂本は一度も倒れず散る…10回終了TKO、進退は保留

 「ボクシング・IBF世界フライ級タイトルマッチ」(31日、マカオ)

 IBF世界フライ級14位の坂本真宏(27)=六島=は、王者モルティ・ムザラネ(南アフリカ)に10回終了、TKO負けした。

 奇跡は起こせなかった。だが坂本の愚直な戦いは十分に胸を打った。序盤から王者の強打を浴びて顔面が腫れ上がる。それでも「倒れて負けるとは考えてなかった」とボディー打ちに活路を求め前進した。右目が完全にふさがり、10回終了後にレフェリーが試合を止めたが、一度もダウンを喫することなくリングに立ち続けた。

 39戦目の王者は10年以上も不敗を誇る。同級14位の坂本は15戦目。無謀とも言われた世界初挑戦だった。「ガードが堅く、パンチを散らしても割ることができなかった」と、老練な王者の牙城を崩すには至らなかった。

 大阪市立大に通う、日本初の現役大学院生王者の夢は散った。「応援してくれたたくさんの人に申し訳ない。自分に賭けてもらったのに失敗した。すぐ次という感じにはならない」と進退は保留した。

 左目は悔し涙で充血していた。「今は自分の中で整理できてない。意味があったとプラスに考えられない。失敗したという事実しかない」と自らを責めた。だが、坂本の勇気こそたたえられるべきだ。

関連ニュース

編集者のオススメ記事

ファイト最新ニュース

もっとみる

    主要ニュース

    ランキング(ファイト)

    写真

    話題の写真ランキング

    リアルタイムランキング

    注目トピックス