【記者の目】メイウェザー合意否定…正反対の「エキシビション」認識の違いが原因か
総合格闘技イベント「RIZIN」(12月31日、さいたまスーパーアリーナ)で“キックボクシング界の神童”と呼ばれる那須川天心(20)と対戦することが発表されたボクシングの元世界5階級制覇王者フロイド・メイウェザー(41)=米国=が8日、自身のインスタグラムで「那須川との公式な対戦には決して合意していない」と主張した。RIZIN側は「事実関係を調査している」と話すにとどめている。
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メイウェザーのマッチメークが紛糾するのは今に始まったことではない。世紀の対決と言われた15年の6階級制覇王者マニー・パッキャオ(フィリピン)戦は薬物検査問題などでもめ、交渉開始から実現まで5年以上かかっている。
だが、今回の騒動は双方のエキシビションマッチの認識の違いによるものと思われる。メイウェザーは「公式戦と表現されるとは思っていなかった」としているが、RIZIN側は公式戦とは表現しておらず、会見でもエキシビションになることを示唆していた。
これは推測だが、双方はエキシビションで合意していたのだろう。メイウェザーは「エンターテインメント性に富んだ試合。しっかりとスキルが見せられればいい」と、勝負にはこだわらない口ぶり。一方、RIZINの榊原氏は「果たし合いにしたい。ケンカですよ」と、正反対の考えを示していた。
現時点では、この対決が消滅するのか、両者が歩み寄るのかは分からない。一つ言えるのは、発表が早すぎたと言うことだ。(デイリースポーツ・格闘技担当・洪経人)