3階級制覇の田中恒成「生涯忘れられない試合」激闘の前王者・木村たたえる
「ボクシング・WBO世界フライ級タイトルマッチ」(24日、武田テバオーシャンアリーナ)
同級1位の挑戦者・田中恒成(23)=畑中=が2-0(114-114、115-113、116-112)の判定で王者・木村翔(29)=青木=を破り、3階級制覇を達成した。12戦目での3階級制覇はWBA世界ライト級王者ワシル・ロマチェンコ(ウクライナ)と並ぶ世界最速タイ記録。日本ジム所属選手の3階級制覇は7人目。
初回から続いた壮絶な打撃戦を制した田中は試合後のリング上で、木村の実力を認め、たたえることを忘れなかった。
「試合ができて光栄。ありがとうございました」と感謝の気持ちを示すと、「木村チャンピオンは(前回の防衛戦を)7月にして2カ月(のインターバル)でやっていることを忘れてはいけない。内容も木村チャンピオンにもっと近づけるようにしたい」と冷静に話した。
気迫のぶつかりあいとなったフルラウンド。「気持ちの勝負。弱気になれば負けると思った」と、相手の得意とする展開にも一切退かなかった。
世界最速タイでの3階級制覇には「うれしい」と素直な感想。何をしたいか問われると「休みたい。座り込みたい」と話しながらも「もっともっと強くなりたい」とさらなる進化を誓った。
中継局とのインタビューでは「生涯忘れられない試合になった」と口にした。過去の2階級戴冠は決定戦での勝利。王者に真っ向勝負で勝利してこその、3階級制覇にこれまでにない達成感を漂わせた。