岩佐、王座陥落…0-3判定負け 予想外のスタイルに「対応できなかった」

 「ボクシング・IBF世界スーパーバンタム級タイトルマッチ」(16日、後楽園ホール)

 IBF世界スーパーバンタム級王者・岩佐亮佑(28)=セレス=が指名挑戦者のTJ・ドヘニー(アイルランド)に0-3の判定で敗れ、2度目の防衛に失敗した。岩佐は初回に左フックでぐらつかせ、右目下を出血させるなど優位に試合を進めたが決め手を欠き、中盤以降はドヘニーの右のジャブなどを被弾する場面が目立った。これで日本人世界王者は5人となった。

 レフェリーのコールを聞くと、ロープに両手をかけてうなだれた。ジャッジ3者全員が挑戦者を支持する判定で、岩佐がタイトルを失った。

 「距離を取ってくるのが予想外だった。そこに対応できなかったのが僕の弱さ。ポイントは負けたなと思っていた。仕方ないです」

 難しい試合だった。飛び込んでくるファイタータイプという下馬評を裏切り、下がりながら左右のフックを強振する挑戦者を、岩佐がジャブで追う展開。本来は迎え撃つタイプの王者にとっては想定外の展開が続いた。それでも終盤には流れをつかんだ。11回には左ストレートでよろめかせ、ダウンまであと一歩という場面もつくった。だが、遅すぎた。

 あこがれの舞台がすぐそこまで来ていた。この試合は米国最大のスポーツ局ESPN傘下のインターネット放送ESPN+(プラス)で全米に生中継されていた。海外進出は岩佐が王者になる前から目標にしていたこと。WBO王者との統一戦というプランも描かれていたが、全ては無になった。

 「自分の今日の出来にはがっかりした。一番の舞台で力を発揮できなかった。今後のことについても考えます」。不本意な試合で王座を失った。

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