あしたのジュンが20歳の現役JK破り初代女王

 「女子日本ミニフライ級王座決定戦6回戦」(20日、後楽園ホール)

 日本プロボクシング協会ランキング同級1位の「あしたのジュン」こと矢吹純(協栄)が、同級2位の「現役JKボクサー」小村楓香(グリーンツダ)を3-0の判定(58-54、57-55×2)で下し、初代女王となった。

 身長163センチの矢吹は、151センチと小柄な小村に対しジャブでけん制。攻撃的な相手に左を合わせ、3回には左ストレートでダウンを奪った。だが4回、青コーナーサイドでの接触で矢吹が足を突いた。これがダウンを取られた。直後、矢吹も陣営も「スリップ」と口をそろえたが、ここで冷静さを失わなかった。

 「エーッと思って、トレーナーの顔を見たら『大丈夫、落ち着け』と言ってくれていたので、ダウンになったものは仕方ない、と冷静に考えられました」と、気持ちを切り替えた。終盤の2ラウンドは足を使い、ジャブとカウンターを合わせてポイントアウト。闘志むき出しで反撃してくる小村をさばききった。

 リング上で15年4月に52歳で亡くなった父・寿美(としみ)さんの遺影に王座獲得を報告した。この時初めて矢吹の目から涙がこぼれた。「父の写真は反則ですよね」と泣き笑い。福島県出身で、友人・知人が応援に駆けつけた。さらに地元のテレビ局も取材に訪れ「ベルトを福島に持って帰ります」と話した。「大きく言えば違う色の、世界のベルトを取りたい。少しでも福島が復興してくれるよう頑張りたい」と今後の目標を語った。

 女子高生の王座獲得という夢が破れた小村は、負けた瞬間から涙が止まらなかった。「勝つことしか考えてなかった。この試合にすごくかけていた。今は何も考えられない」と泣きじゃくった。

 本石昌也会長は「判定通りですね。やりにくい相手とは分かっていた。(小柄な相手には)慣れている感じだった。一枚上手だった」と完敗を認めた。小村の今後については「少し落ち着いてからですね。前向きな子なのでまた頑張ります」と再起を期待した。

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