「ボクシング・ＷＢＣ世界フライ級タイトルマッチ」（２２日、両国国技館）

　トリプル世界戦の予備検診が１８日、都内で行われ、出場６選手とも異常なしだった。検診結果で注目を集めたのは初防衛戦に臨むＷＢＣ世界フライ級王者の比嘉大吾（２２）＝白井・具志堅スポーツ。胸囲が前回から７センチアップし、ＷＢＡ世界ミドル級王者エンダム（フランス）と同じ９８センチという驚異の数値で挑戦者トマ・マソン（フランス）を圧倒した。

　ハードトレーニングの成果が恐るべき数値をたたき出した。５月の王座獲得時に９１センチだった比嘉の胸囲は９８センチにアップ。挑戦者のマソンを８センチ上回り、１０階級上のミドル級エンダムと同じで、村田より１センチ少ないだけの驚異的数値だ。

　裸の上半身は見事すぎる逆三角形。大胸筋よりも、腹斜筋や広背筋という側面、背面が大きくなっていた。具志堅用高会長は「すごいね。ミドル級と一緒だもん。胸がパンチを邪魔しちゃうんじゃないか」と心配したが、比嘉は「逆に（パンチが）伸びている感じ」と、成長を実感する。野木丈司トレーナーは「フライ級史上最高の胸囲」と絶賛した。

　脈泊も「４２」と優れた数値だった。具志堅会長は「マラソンランナー並みだね。１ラウンドから飛ばして大丈夫、どこかで倒すよ」と、スタミナにも太鼓判を押した。比嘉は「思っていたより（マソンの）背が高くないので（中に）入ったら自分のもの」。日本史上唯一の全戦全ＫＯ勝ちの王者が、初防衛に自信を見せた。