WWEヒデオ・イタミ 日本公演直前インタビュー「このままでは終われない」
世界最大のプロレス団体WWEの日本公演が6月30日と7月1日に両国国技館で行われる。その直前に、日本ではKENTAのリングネームで活躍したヒデオ・イタミ(36)が都内でインタビューに応じた。
14年7月の日本公演で公開契約を行ったものの、15年5月に肩を負傷し、同年7月の日本公演を欠場。16年6月に復帰するも、今度は首を負傷し、同年12月の日本公演も試合はできず、スーツ姿であいさつしたのみ。今年5月に再び復帰し、NXT王座にも挑戦するなど巻き返し態勢に入ったイタミが、一足早く2大ブランドノワール一つであるスマックダウンに昇格した中邑真輔へのライバル心、初の日本凱旋試合への意気込みを語った。
-やっと日本で試合ができる。
「だいぶかかってしまいましたけど、この日を迎えて楽しみですね。3年かかったんで、3年分の思いを込めてやりたいと思います」
-日本公演ではずっとスーツ姿で試合はできず…。
「不本意でしたけど、こうなったんで、あれはあれで笑って話せればいいと思いますね」
-今年に首のケガから復帰して、5月にはNXT王座に挑戦したが、WWEに入ってからでは今がベストか?
「ようやくスタート地点というわけじゃないですけど、少しずつ軌道に乗ってきてるのかな、とは思います。体(肩)にメスを入れているので、前に比べたらよくなったってことはないですけど、それとどう付き合っていくか、うまくやっていくしかないという感じ」
-中邑真輔が一足早くスマックダウンに昇格したことはどう思う?
「同じ日本人としてすごくうれしいです。という気持ちだけではないです」
-同じところでやっているからには負けられない気持ち?
「もちろん。単純に『さすがだな、頑張ってほしいな』という気持ちしか生まれてこなかったら、ボクはもう終わってると思う。そういう気持ちももちろんあるけど、ふざけんなというか、このまま終わってたまるかという気持ちがあるので」
-NXTとWWE王座戦で敗れた後、「日本に帰ることを考えているのか」と聞かれ、「1回の負けで日本に帰るわけがない。まだ終わっていない」などと答えたインタビューが放送されたそうだが?
「はい。そういううわさもあるって言うのも耳には入っていますけど、先のことはなんとも言えないですね。帰るときが来れば帰るだろうし、でも、今はまったくそういうことは考えていないし、何かを残さないと、とは思いますね。行ったからには何かを残さないと意味がないし、このままでは終われないという気持ちの方が強い。今はやれることをやるってことですかね」
-今後の目標は?
「NXTのタイトルが一番分かりやすい目標になると思う。この間挑戦しましたけど、こっちに来て初めてだったんで、これだけいて初めてっていうのは、結果も負けましたし、許せない自分もいる」
-その先には昇格も?
「そうですね。でも、そこを目指すというより、自分だからこそ任せられるポジションを築いて、それをまっとうしていって、その先に昇格であったり、そういうのがあればいいと思いますけど、まずは自分のやるべきことをしっかりとやることだと思う」
-アメリカに3年も住むと慣れてきた?
「と思うじゃないですか。そうでもない(笑)。基本的なことは慣れてきましたけど、やっぱり言葉がね、難しいですよ」
-どの程度までコミュニケーションは取れる?
「最低限は取れますけど、入り組んだ話になると難しいですね」
-苦労したことは?
「電話とか電気の契約とか、ちょっと分かんねえなって時は『アー、イエー』とか言って、まあそれでいいやって(笑)。幸い、大事には至っていないですね」
-ストレスは感じる?
「やっぱりありますよ。でも、それも慣れたというか。日本で日本人と話している方が面白いじゃないですか。同じタイミングで笑えたりとかするはいいなって」
-相撲好きと聞くが、アメリカにいる間には、稀勢の里が久しぶりの日本人横綱になった。
「向こうで心の中で祝杯を挙げました。待ち望みましたね、日本人横綱を。うれしいです」
-イタミ選手もWWEの横綱に?
「やっぱりあやかりたいですね。しっかり結果で示して、いろんな声を黙らせるというのは。こういう世界にいる以上は、口でどうこう言うより結果で示すのが一番。特に稀勢の里関は不言実行でやってきたと思うので」