村田5・20世界初挑戦 五輪金&世界ベルト究極の2冠へ
「ボクシング・WBA世界ミドル級王座決定戦」(5月20日、有明コロシアム)
2012年ロンドン五輪ボクシング・ミドル級金メダリストで、WBA世界同級2位の村田諒太(31)=帝拳=が5月20日に東京・有明コロシアムで世界初挑戦することが3日、都内で発表された。同級1位のアッサン・エンダム(33)との王座決定戦で、王座を獲得すれば日本人の五輪メダリスト初の快挙となる。大一番は、比嘉大吾(21)=白井・具志堅スポーツ、拳四朗(25)=BMB=とのトリプル世界戦のメインイベントとして行われる。
13年8月のプロデビューから約4年、13戦目で迎えた世界戦を村田は「長かったか短かったといえば、いい時期と思う。(14年に)判定が続いたのもいい経験になったし、去年の4試合で自信を深めた」と絶好のタイミングと捉えた。
日本人では桜井孝雄以来、2人目となる五輪金メダリストの世界挑戦。勝てば初めてメダルとベルトの両方を手にすることになる。
本田明彦・帝拳会長によると正式決定は2日前。ゲンナジー・ゴロフキンを軸に展開する世界ミドル級戦線で、陣営はWBO王者のビリー・ジョー・サンダース(英国)とも交渉していたが、結果的にエンダムに決まった。
村田は「プロに入る前に『ミドル級は大変だよ』と言われた。ファイターにとって大変と思っていたが、試合を組んでもらうことが大変だった。受けた恩恵を結果で返せるようにしたい」と陣営に感謝した。
エンダムは12年のピーター・クイリン(米国)戦で6度、15年のデビッド・レミュー(カナダ)戦では4度ダウンし、敗れたとはいえ判定に持ち込んだ粘り強い選手。「一筋縄の相手ではない。倒れても起き上がって、ポイントを取るのがうまい。1度倒したからといって、気を抜かないこと」とタフな試合を覚悟している。
戦略としては「12回、あそこまで足が止まらない選手はミドル級ではいない。それはさせたくない」とたくらむ。「パンチの種類的にガードの上からはじき飛ばされることはないと思う。長い距離にさせたら強いので、いかに詰めるか。プレッシャーをかけてミドルからショートレンジで打ち込みたい」と村田らしいスタイルで臨むつもりだ。
浜田剛史・帝拳代表が「人生で一番大事な試合」という一戦。村田は「ボクシングの一番の魅力はエンディングとオープニングが、いつきてもおかしくないところ」と言う。もちろん、新たなキャリアの輝かしいオープニングにするつもりだ。