前東洋太平洋王者・細川が再起戦へ 錣山親方から寺尾魂授かる

次戦を発表した(左から)細川貴之、マーク・ジョン・ヤップ
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 ボクシングの六島ジムは20日、大阪・住吉区民センターで4月9日に行う興行(デイリースポーツ後援)を発表した。前東洋太平洋スーパーウエルター級王者・細川貴之(32)は再起戦に臨み、ティーラサック・ケーマックスジム(タイ)とノンタイトル8回戦を行う。同じくノンタイトル戦の東洋太平洋バンタム級王者・マーク・ジョン・ヤップ(28)=フィリピン、六島=、日本フライ級11位の坂本真宏(26)=六島=とともに、この日、大阪市内で会見した。

 細川は戦績28勝(9KO)11敗5引き分けのベテラン。昨年11月、大石豊(井岡弘樹)に11回1-2の負傷判定で敗れ、2度目防衛に失敗し、王座陥落した。次戦を突破すれば王者・大石との再戦で王座再挑戦が既定路線ながら、選手生命は崖っぷちだ。

 武市トレーナーからは「練習に付いて行けない」と明らかな肉体的衰えを指摘され、引退勧告を受けた。背水から再び王座奪回を狙い、大相撲の錣山部屋に入門し、心身を鍛え直すことを決めた。

 現役時代、スピードある突っ張りで名を馳せた錣山親方(元関脇寺尾)とは、ちゃんこ鍋屋でアルバイトをした縁で知り合った。同親方が格闘技好きで、親交を深めた。

 「俺は現役時代、一番黒星が多いけど、それを誇りに思う。負けることを恐れるな」。土俵とリングの違いはあれど、勝負師の言葉は常に心に刺さった。

 12年の九州場所前には錣山部屋に2週間、泊まり込んだ。まわしを締め、朝稽古で四股を踏み、すり足。関取を相手にぶつかり稽古も経験した。

 今回も同様だ。前戦の敗戦ビデオを送ると、親方から「下半身が使えていない。細川君はまだ伸びる。もう一回、四股をやって鍛え直そう」と救いの手を差し伸べてくれた。春場所(3月12日初日、エディオンアリーナ大阪)に合わせ、2月下旬から約1週間、親方の部屋に住み込み、寝食をともにして、下半身を一から作り直すつもりだ。

 「心技体すべてが中途半端になっていた。親方から『精神面もすべて鍛え直す』と言っていただいた。親方は本当に熱い方」。もうひと花咲かせるため、細川が“寺尾魂”を注入する。

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