田中、日本選手最速プロ8戦目! “中京の怪物”が怪物・尚弥に並んだ

 「ボクシング・WBO世界ライトフライ級王座決定戦」(31日、岐阜メモリアルセンター)

 同級2位の田中恒成(21)=畑中=が1位のモイセス・フエンテス(メキシコ)に5回1分52秒でTKO勝ちし、井上尚弥(大橋)と並んで日本選手最速となるプロ8戦目での2階級制覇を達成した。15年5月に日本選手最速の5戦目で世界王座に就いた田中は階級を上げたライトフライ級で2戦目だった。

 鋭い両目がキリッと光った。5回、相手をロープ際に追い込むと、一気にスイッチが入った。右、左、右。田中は「心を折ろう」と攻め続けた。連打を浴びせ、力強い右ストレートでフエンテスをぐらつかせると、左フックで仕留めた。戦意喪失した相手をレフェリーが止め、両拳を突き上げた。5回1分52秒。井上尚と並び、日本選手最速のプロ8戦目での2階級制覇を成し遂げた。

 「できすぎです」と謙遜したが、有言実行の勝利だ。一昨年の大みそか、ミニマム級で初防衛を果たし、リング上でマイクを持つと「16年は2階級制覇することを誓います」と宣言。階級を1つ上げて2本目のベルトをつかみ「ギリギリですが、去年(15年)の大みそかに言ったように2階級制覇でき、チャンピオンになれてよかった」と笑った。

 ただ、1本目のベルトとは「全然違う」と感慨はない。「終わってみれば通過点」と淡々としていた。家族には「5階級制覇をしたい」と言ってのけるほど野望は果てしないが、今後もライトフライ級で戦う意思を示した。

 同階級はIBF王者に八重樫東、WBA王者に田口良一が君臨。「日本人が3人チャンピオンなんて、そうあることじゃない。こういうチャンス、舞台がある以上、やってみたい。先輩2人に相手にされているか分からないけど、チャレンジャーの俺としてはやりたいばっかり」と早速宣戦布告。次戦は今春を目指しており、畑中会長は「挑むのがうちのスタイル。近い将来チャンスがあれば」と可能性を否定しなかった。

 圧倒的なスピードで試合を制しても「予想よりちょっとよかっただけ。結果に反して課題は多かった」と採点は辛口だ。まだ21歳。“中京の怪物”の挑戦は始まったばかりだ。

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